大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム<

でんしんぼ(=電柱)

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私:今夜のお話は電柱。飛騨方言では「でんしんぼ電信棒」。
君:それって死語でしょ。戦前の言い方よね。
私:生まれも(1953)育ちも戦後の僕だが、子供の頃に「でんしんぼ電信棒」という言葉を話していたので、つい。
君:まあ、気持ちは分からなくも無いわね。
私:電気にまつわる私の一番に古い記憶が、土蔵からランプを発見し、親に、昔はこれを使っていたのか、と聞いた時。家には唯一の電化製品という事で古ぼけたラジオがあったので、戦前辺りに故郷・大西村に電気が来ていた事は間違いない。蓄音機があったが、実は電気無しで音が出るというもの。手動でクランクをクルクルと回して青い山脈を聴いた覚えがある。昭和三十年代だ。
君:ほほほ、今日のお話は古語辞典は全く役立たないわね。
私:その通り。ネット検索が唯一の術。電信棒というのはどうも中部地方限定らしい。電気通信用の電線の支持用に日本全国に普及したことから電信柱(でんしんばしら、でんしんちゅう)と呼ばれることも多いそうだ。通信と言えば電報だが、これも古い記憶がある。
君:どういう事?
私:曾祖父が急死し、東京や大阪にいる肉親に「チチシヌスグコイ」と打電したそうだ。
君:なるほどね。
私:JR高山線が全線開通したのが1934年(昭和09)10月25日。東京からだと中央線中津川まで、後は歩き。大阪からだと高山線飛騨金山駅まで、後は歩き。飛騨は戦前まで秘境だったんだよ。
君:「でんしんぼう電信棒」は中部共通語という訳ね。
私:おっとどっこい、小学館日本方言大辞典のお出ましだ。京都市、大阪府仙北郡、奈良県、和歌山県、島根県鹿足郡、愛媛県周桑郡・喜多郡。
君:なるほど、広域方言ね。中部地方、と言うのは間違いね。
私:そう、そのようなネット情報は実は間違いだ。ところで近代語に於いては東京での言い方以外は全て方言扱いというルールになる。従って近代語に於いては東京語は存在しない。ところで自宅(岐阜県可児市)の近くに萬松園がある。日本の電力女王・川上貞奴(さだやっこ)の別邸。木曽川は関西電力
君:今夜のお話は迫力が無いわね。飛騨のお話が無いし。
私:そう言うだろうと思って、周波数の異なる東日本と西日本の電力融通を可能に「飛騨変換所」が運用開始。

君:おっと、変電所ではないのね。
私:国語の問題と捉えると変電と変換に意味の差は無いように思うが、各地方にある変電所は弱くなった電圧を上げてさらに遠くへ送る事を示し、変換とは 60Hz/50Hz の周波数の違いを克服する為に交流を直流に変換するかららしい。

君:悲しいわね。
私:まずはエジソンとテスラの電流戦争について知る必要がある。直流エジソンは交流テスラに負けた。これだけはエジソンの大失敗例。
君:誰でも人生に失敗の一つや二つはあるわよ。ほほほ

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