時は明治31年ですが、奈良時代以前は、はひふへほ、とは言わず、
ぱぴぷぺぽ、と言っていた事を発見した学者がお見えになりました。
上田万年(かずとし)、語学創見(帝国文学)四巻一号、後に"P音考"、によれば
万葉仮名表記の例えば波奈(花)、布久(吹く)、ですが古代の中国原音を
記した韻鏡をもとに借音漢字、ぱな、ぷく、である事を発見されたのです。
という事で早速に言葉遊びですが、
佐七辞書をP音考をもとに上代飛騨方言辞書に変換しましょう。
ただし後世の言葉(語彙、音便、文法等)は全て省きます。
ぱえ > 川魚の一種
ぱおした > のきした
ぱつける > たたく
ぱあになる > いかれる
ぱえ > あまご
ぱえむし > はえ(蝿)
ぱおした > 軒下
ぱくらん > 日射病
ぱぐる > めくる
ぱしかい > むずがゆい
ぱじかい > 荒れる(皮膚が)
ぱぜる > 爆発する
ぱたいも > さといも
ぱだかむし > 丸裸
ぱつける > 張りたたく
ぱぱける > (事業を)展開する 散らかす 散らかる
ぱや > もう すでに
ぱりこむ > はりきる
ぱりこみ > 奮発 奢り 意気込み
ぱるき(春木)
ぱるき山
ぱるきひ(曳)き > まき(薪)運び
ばんがたし > 夕方
ぱんたいこ > 反対(にする事)
ぱんどり > 着る雨具の一種
ぴい > 女児
ぴこね > 仮り寝 仮眠
ぴざこぶ > ひじがしら
ぴどいどこ > ひどく
ぴとくみ > ひとみしり
ぴとよさ > 一晩
ぴなた > いろり
ぴねづけ > 数年つけこんだ漬物
ぴねまい > 古米
ぴぴ > あかぎれ
ぴぼ > ひも
ぴまざい > ほうし(奉仕)
ぴるまり > 昼間
ぴんがらめ > すがめ
ぷうき > ふき(蕗)
ぷくり > ポックリ(下駄)
ぷゆやわい > ふゆじたく
ぷわかす > ふやかす ふやけさす
ぷわける > ふやける
ぺくさむし > かめむし
ぺちかむ > ゆがむ
ぺえともない > 何とも感じない
ぺぼい > 貧相な みすぼらしい
ぺぼくさい > よわい
ぺんべ > へび
ぽえ > 枯れ枝 ほそえだ 枝のついたままの薪
ぽかる > なげる 捨てる 放置する
ぽくる > 追う
ぽせる > かわく
ぼっか > 歩荷、荷物運び屋
ぽぽぺた > ほほ
ぽら > 大きい谷あい
ぽらつない > 手のつけようが無い
以上です。つまり佐七からのビッグプレゼント・奈良時代の飛騨方言(かもね)を大量ゲット、
但し半分以上は外れかもしれません。若しそうなら御免なさい。
がしかし、畑はパタ、花はパナ、春はパル、冬はプユ、このあたりは
間違いないでしょうね。これも有名な話ですが、母は実は奈良時代はパパでした。
パアになる(=いかれる)は実は無変換です。つまり上代から現代に
至るまで、パアはパア。
またこれも有名な話ですが、ピカッと光るから上代では光は実はピカリ、
パタパタしているから旗も上代では実はパタ、これも間違いないとの事です。
ぽっくりの事を飛騨方言で、ぶくり、というのですがP音考によれば奈良時代以前は実はプクリかも、
いやあ、これも佐七にとっては世紀の大発見でした。