大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

(岐阜県民のだいすき言葉・まめなかな、の一考察。)
近年に見られる飛騨方言の接続助詞・の、の省略傾向

戻る

接続助詞・の、については、 飛騨方言の特徴を一言で記すと必ず撥音便になる、という事でしょう。 つまりは俺のうちのジュースは、飛騨方言では、 おれんちジュース。 オレンジジュース、寒すぎる親父ギャグでごめんなさい。

例えば、おらんどこ、という大西村弁があります。 高山市内でも通じると信じます、おれのところ、という意味です。 早い話がマイハウス、私の家。また例えば、
おれんちゃあ、貧乏や(*o*;)。
私のうちは貧乏です(*o*;)、の如く、飛騨方言においては 接続助詞・の、が撥音便になる、というのが かつての飛騨方言文法であったと筆者なりに信じます。

ところがさにらあらず、ここ数十年の間に飛騨方言の文法に 変化が生じているのです。 わかりやすい、だれでも理解できる例でご説明しましょう。 例えば、まめなかな。 原義は、 まめ(名詞)+ 指定の助動詞だ連体形・な+ 接続助詞・の+ 複合助詞・かいな、 つまりは筆者なりに推察しますに、 まめなかな、の語源は、まめなのかいな、です。 飛騨方言・まめなかな、に既に接続助詞・の、否その撥音便・ん、の痕跡すら ありません。

例えば、学校へいくんかい?といいます。学校へいくの姿かい、 学校へ行くのまさに時かい、学校へまさに行くの状態かい、等々 話し手・受け取り手の解釈はさまざまですが、接続助詞には そのような意味がありました。 でも結局は、学校へいくかい?と言っても、 学校へいくか?といっても所詮、意味は同じ、と言う事で 接続助詞・の、及びその撥音便・ん、が 省略される傾向があるというのが トレンディな飛騨方言の特徴です。以下はまとめに。
まとめ
▼かつて飛騨方言では、接続助詞・の、が省略されず、 ましてやその撥音便も省略されず、まめなのかいな、 まめなんかいな、と話されていた可能性がある。 ▼平成の世に飛騨全域のみならずその近隣でもいわれる言葉、 つまり岐阜県民のだいすき言葉・まめなかな、であるが、接続助詞・の、の撥音便・ん、すら省略されている事実は この言葉が実は最近(あるいは明治以降に)出来た極めて新しい言葉なのでは、 という可能性がある。

ページ先頭に戻る