大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

けなるい・京言葉飛騨方言共通形容詞のアクセント

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私:今日はちょいときどって京言葉と飛騨方言を対比検討してみよう。
君:なかなか大きな命題ね。しかしひとつのページにはひとつのメッセージよ。
私:勿論。きょうは、けなるい、のアクセントだ。
君:えっ、京言葉でも、けなるい、を使うのね。
私:勿論、意味は共通で、うらやましい、という意味。飛騨方言では人気がある言葉だね。
君:では、京都では、けなるい、の人気はどう。
私:やはり大有りだ。ところが、数年前のネット情報。毎日、無数のサイトをチェックしているのでいちいちブックマークできない。そのサイトだが、うーむ三年ほど前に見たのだった。有難い事にきちんと音声も表示してあった。私は一度聞いた言葉は忘れない。
君:ほほほ、やはりアクセントは異なっていたのね。
私:勿論ね。つまりは
飛騨方言 京言葉
○●●● ▼○○○
という事だ。飛騨方言のアクセント体系は純東京式だから、京言葉とは決定的に異なるね。
君:なるほどね。語源は当然ながら古語で、京都から飛騨へ伝播した言葉なのにね。語源は「異・けなり」ね。
私:そうだ。当サイトには何度も書いた。他人と異なっているという事は素晴らしいという事だね。人間は個性があったほうがよい。個性がある人をうらやむ気持ちから、けなるい、という言葉ができたんだ。
君:ふーむ、けなり▼○○、のアクセントでしょうから京都アクセントは理にかなっているけど、おそらくは飛騨工が平安時代に飛騨へ、けなるい、を持ち帰ったものの、アクセントは東京式になってしまったという事なのかしら。
私:その通り。僕は何も付け足す事はないね。でもあえて。つまりは平安時代以前に飛騨には形容詞は平板型のアクセント、という文法があったという事だろ。そこへ、都では頭高で話されている、けなり・けなるい、が輸入されたのだが、飛騨人は、京都のアクセントは受け入れなかった、という事なのだろうね。
君:なるほどね。そして現在に至るという事なのだから、アクセント体系というものは一千年経てもピクリとも変わらなかったという事なのよね。
私:そんな所だろうね。国語学者の方々が古代の音韻を解き明かし、書にしていらっしゃるので佐七も勉強を始めたばかりという事で。
君:それにしても、何年か前にネットサーフィンで聞いた京言葉・けなるい、を良く覚えていたわね。
私:実は若い女性の声、京都ご出身のプロのアナウンサーだった。"いゃあ、あの方すてき、けなるいわあ" という音声だった。
君:いっぺん聞いただけで、覚えていらっしゃる、ってけなるいわ。
私:ならば言おう。少し複雑な気持ちになる。
君:ほほほ、別れた恋人の言葉ね。人は忘れられないものなのよね。
私:その通り。君の言葉だ。
君:えっ、いやだ。
私:場所は名古屋駅。お互いに独身だったね。
冷静院の君:ほほほ、人生は言わぬが花。人違いなさっていらっしゃらないかしら。

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