大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム方言学<

語源論・品詞の転成

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私:方言学でも語源論という話題で。このテーマは言語学でもある。
君:私も飛騨を離れて早、何十年だわ。
私:ははは、僕は誰にでもわかる面白い話しかしない。また、僕が考えた事しか話さない。つまりはここを訪れた人は皆、得をした気分で幸せになれる。
君:ほほほ、ではどうぞ。
私:「てきない」は苦しいという意味の形容詞、「どんねもない」は「大丈夫だ」という意味の句、このくらいなら飛騨の人間なら誰でも使うよね。
君:ええ、勿論。というか、そんなお話じゃ簡単すぎないこと。
私:ふふふ、意味は正反対だが語源を考えると、とんでもない共通項がある言葉だった。こんな話題ならどう?
君:語源といわれてもね、考えた事もないし。
私:僕は考え続けた。そして終に発見、「てきない」の語源は「大儀なり」だろう。
君:えっ、どういう仕組みなの。
私:とても大変な事、という意味で、たいぎなる事と、まずは言っていた。ここがスタートだ。そして、たいぎな事>たいぎない事>てきない事と変化したのかも。
君:なるほど、ドンピシャリね。
私:次いで「どんねもない」は「どんなにもない」と言っていたのが「どんねもない」になったのかも。
君:ほほほ、こちらの語源は誰でも思いつく事だわ。迫力は無いわね。
私:ふふふ、てきない・どんねもない、ともに結構迫力あるんだ。ヒントは品詞。
君:品詞?
私:てきない、は形動ナリが純粋の形容詞になったの。
君:なるほどそうね!なら、「どんね」は副詞句が名詞に変化したのね!形容詞「てきない」は実は形容動詞が語源とは。これじゃあ語源探しも大変ね。普通は思いつかないわね。苦労なさったのでしょ?
私:ええ、一年かかりました。でもこうやって本日、国民の皆様にお披露目できて僕はうれしい。
君:一年も。あなたらしい。迫力のある結論ね。

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