大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学<

方言区画論・でら九州

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新聞を読んでいても、なにか方言に関係した記事があると、 読み飛ばすわけにはいかない、というような佐七です。 今日は、日曜版を先ほど来のんびりと読んでいて、ANAと中部空港および関連事業所様がたの 共同事業、dera9.jp でら九州、の広告が目に留まりました。 青息吐息です。

国語学上の厳密な方言区画論はいざしらず、大阪方言の文末詞は「あかん」、九州方言では「よか」、等々 の言葉なら子どもでも、ああ方言のいいまわしだ、とわかるでしょう。 実は、でら〜、とは中部の方言の言い回しなのです。 名古屋方言といえば、どえりゃーエビフリャー(どえらいエビフライ、とても大きなエビフライ)、 の言い回しがあります。 あまりお上品な響きではないので、でら〜、という言い回しで出たのが 麒麟麦酒のその名も、デラウマ、東海地方限定販売というマニア垂涎の商品です。 佐七のようなお酒マニアで方言マニアには、もうたまりません。

でら中部、というキャンペーンを行って、中部へ皆様どうぞ、と広告するのなら 何も問題ありません。 ANAと中部空港および関連事業所様がたへ、中部の方言を使って 九州の宣伝をするな、と佐七は言いたい。

百歩譲って、中部地方の方々よ九州へどんどんと旅行してください、 という意味のキャンペーンでしょうか。
やっぱなあ、飛騨ばっかにおってゃだしかんぞ。たまにゃ旅行やさ。 命のせんだくやさ。でら九州の企画ぁ、でーれーええでなぁ。 ええどこの多い、でら九州やさ。
以上、ちょっと苦しいけれど好意的に解釈してみました。 これを佐七が言うなら
 よか九州キャンペーン
 あかん大阪やてキャンペーン
 京都どすキャンペーン
と言うのですが。これなら東条操先生も都竹通年雄先生も、 ありがとう佐七君・君だけだよ、とご満足。

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