筆者は最近は郷土の人と会えば必ず飛騨方言の事を話題にしてしまう癖
になってしまいました。
昨日もそうですが、お話の中で続々と新しい言葉が話題になり、
勉強させられます。
インフォーマントは生まれも育ちも久々野町の方ですが、
その夜メールまで頂戴しました。
この場を借りてお礼申し上げます。
その方の語彙といえば・・
- きできない=そんなことをしていただき、申し訳ない気がする。=うたてい
気持ち が てきない(=飛騨方言、つらい、大儀な) が語源でしょう。
気+てきない、が語源でしょう。
- えのまえ>家の前
短呼化の一例ですね。
飛騨方言では、うま、の事を、ま、というのと
同じ理屈でしょう。
飛騨方言には語頭に母音がくれば省略されやすい、という
法則があるのかもしれません。
- しぶらこい>なんとなく渋みを感じる
阿波弁が早速ヒットしましたが、何と意味は逆でした。
味がしぶくて濃い事を示すようです。
他の形容詞、あまい・からい・うすい等々で活用させて
ネット検索してもヒットゼロでした。
余談ですが、なつっこい、では約五十万件ヒットします。
- しゅうのこい>なんとなく渋みを感じる
混沌としています。渋いから、じゅうのこい、
という言葉が原語なのでしょうか?
上記しぶらこい、からの派生、あるいはその逆、と
考えるにはあまりにも無理がありましょう。
- かかれな>いい加減な
かかれ=いい加減=体言、ここまでは
いいとして、かかれ、の語源は何でしょう。
普通は用言、つまり活用品詞、つまり動詞、からの発生からだ
ろうと考えると かかれ = かく+あれ であろうか
と安易に発想しがちですね。ただし あり は
.ラ行変格活用(ラ変)でその名詞形は、つまり連用形は あり
です。おそらくは かく+あり で係り、という名詞
が出来たのでしょうか。
あれ、は動詞・ありの已然形・命令形である事が何ともハヤ
理解に苦しむ所ですね。
かく+あれ の説に拘りますと
下一段活用ないし下二段活用の連用形
でなくてはならず、果たしてこのような
動詞が存在したのでしょうか。やはりおかしいですね。
- こうとい>着る物や身に着ける物が地味である
ぱっと語源が思い浮かびませんが、
ただ今方言辞典をみますと、こふ、こふう、の語
を充てて地味であるという言い回しが香川・島根に
ありました。古風である、が語源の可能性が
ある、と直感しています。しゃみしゃっきり。
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