大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

アボカド

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私:命長ければ恥多し。今日はいつもながら家内とスーパーへ。運び屋さんだけの任務だかラ日まで仕方ない。暇つぶしに食品名をひとつひとつ見ていてびっくり。
君:アボカドがどうかしたの?
私:僕は今までずうっと「アボガド」という発音だと思い込んでいた。綴りは avocado メキシコ語、アクセントは avoca'do で英語のセンスに合う。
君:単なる思い過ごしじゃないの。
私:方言学的にあれこれ、意味のある事だと思う。
君:例えば?
私:列挙しよう。
★僕はこの言葉を口語文化でしか使ってこなかった
★最初にこの言葉を聞いた時に発音が「アボガド」だと思い込んだ
★その後、多くの人が「アボカド」と発音するのに自分には「アボガド」に聞こえてしまっていた
★僕が「アボガド」と発音するのを、聞く人は「アボカド」と発音していると勘違いしていた
★今まで僕が人に「あなたの発音は間違っています。アボカドです。」と言われた事が一度もない
★テレビの料理番組があったとしても、自分は「アボガド」という発音だと信じ込んでいるので、番組内で「アボカド」の発音があっても修正は出来なかった
★アボカドの綴り avocado は日本語言語圏ではまず滅多に見当たらない
★綴り avocado かどさえ知っていれば「アボカド」と発音を修正していただろうに、僕が綴りを知ったのは先ほどネット検索をしてからの事だった
★多分、世間の人は僕がアボカドと発音しようが、アボガドと発音しようが、無関心
★第一に当の本人があれこれある外来語の正しい発音については、関心を示してこなかった

君:要は「か」と「が」は聞き取りにくいという、たったそれだけのことじゃないの。
私:いやあ、そんな言い方は駄目だ。無声軟口蓋破裂音と有声軟口蓋破裂音の弁別は困難である、と言えばいいんだよ。ぶっ
君:音声学・音韻学ね。確かに国語学の一分野かしらね。
私:てか、言語学だよ。日本語に特有の問態ではないからね。各国語に共通の問題なんだ。ca (ka) vs. ga 非常に微妙な問題である。国際問題だな。ぶっ
君:なるほど、国語の枠を超えた問題ね。日本語とメキシコ語の問題かしら。
私:ネット検索によれば、メキシコから大量に日本に輸入されるようになったのは1970年代から。最近と言えば最近。子供の時に食べた覚えは無いなぁ。
君:左七君は何が一番古い思い出かしら。
私:バナナやメロンだな。この世の中にこんなに美味しいものがあるのか、子供心というやつだ。風邪をひくと他マ五かけご飯、間違えた、卵かけご飯がいただけて、あれも嬉しかった。
君:ラムネとかね。
私:そうそう。カバヤのインスタントジュースとか。
君:リポンジュースとか。結論としては方言形成の原動力は言い間違いと聞き間違いね。ほほほ

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