大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
開音節・閉音節 |
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私:今日もあれこれ忙しくて、勉強する時間が無かった。いい訳だが。息抜きに少し書いて方言千一夜としよう。まずは実例。 君:羽後方言と薩摩方言の対決ね。日本語というよりは外国語ね。 私:薩摩方言は韓国語に似ているな、という感じだね。 君:確かに。文末が「お」の長音で尾高であると、俄然、韓国語らしくなるわね。アニョハセヨ(こんにちは)に通じると思うわ。 私:それともうひとつ。閉音節優位だからじゃないのかな。 君:という事で表題ね。開音節は母音で終わる事で日本語の特徴。それに対して閉音節は子音が終わる事で、英語や韓国語の特徴。 私:そう。音韻学は言語学と密接な繋がりがあるが、中国語も閉音節優位だったかな。native tongue とはよく言ったもので、三歳辺りまでの言語習得でその人の母国語が決まる。日本人は英語を正しく発音する事はきっぱりと諦めよう、というのが今夜の結論かな。 君:変な事をお書きになると炎上するわよ。 私:そう、当たり障りのない話にしよう。ここで語られる羽後方言も閉音節優位のようだ。 君:日本語、というか東京語は開音節の言語なので、閉音節優位の一部の日本語方言は開音節に慣れた日本人には聞き取りにくい言語という事ね。 私:飛騨方言も開音節優位だろう。飛騨方言の、というか日本語の閉音節は、たったの二つしかない。「ほん本」と「いたっ痛」。ここでハタと気づく事がないかい。 君:薩摩方言、羽後方言の音節の末語は「ん」で終わったり、或いは促音便になる事が多いという事かしら。 私:だろね。それに音韻の末語を形成するのは格助詞、係助詞、方言文末詞の三兄弟と相場が決まっている。これらに「ん・っ」が多いという事じゃないのかな。気まぐれの思い付きなので、既に指摘されている事かも知れない。 君:開音節の日本人が閉音節の英語・薩摩方言・羽後方言を話すのが困難な事は自身の経験に照らし合わせて理解できるけれど、逆はどうかしら。 私:米国人が日本語を話しやすいなんて事はない。お互い様。米国人が膠着語であり、然も複雑に活用する日本語を簡単に話せる言語と考える事は無いでしょう。 でも開音節の言語間なら日本人も案外いけるかも。ポリネシア語とか、地中海言語、つまりラテン語、などが開音節優位じゃなかったかな。海洋国家の言語は、大海原ではとにかく大きな声で話さないといけないから、必然的に開音節優位になる、とか、まことしやかに語られている。 君:でも飛騨は山国よ。 私:山も広いから大声を出さないと意思疎通が出来ないんだよ。 君:ひどい屁理屈。 私:開音節・閉音節は口の開きに注目した名称で英語(open syllable vs closed syllable)の借用だ。 君:閉音節は開音節と同様に開音節ね。だって「う」で終わるんだもん。ほほほ |
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