先だっては 方言学考>書評 のところに明解方言学辞典という書籍を紹介しました。国研(国立国語学研究所)の先生方がお書きになった書物なので、ありがたく読ませていただきましたが、例えば 五段化という方言学用語の英訳が godanka とは、思わず絶句、一言、お書きせざるを得ません。五段化とは具体的には下一段活用のラ行五段化という事で、例としては、起きない、という事を、おきらん、などという事を示すのですが九州に多いですね。
さて国研様、冗談のような形で出版なさる事はおやめくださいませ。godanka では英訳したわけでもなく、ただローマ字表記しただけではないでしょうか。活用は英語で conjugation ですから、今、さあっとネット検索しても five-stage conjugation of Japanese language というような言い回しも発見できました。つまりは、
五段化 = coversion to five-stage conjugation or tendency toward five-stage conjugation、従って、ラ行五段(化) = coversion to five-stage conjugation of R-sound verb、などと表現すれば外国人に理解されるのではないでしょうか。ついでですが、これも先ほど発見したサイトで、その名もJapanese Verb Conjugator、お暇な方は 例えば、tsukau などと入力してみてくださいませ。present indicative, presumptive, volitional, imperative, past indicative, past presumptive, etc の字句も納得です。
さて、今、更にネットの拾い読みをすると、未然=irrealis or negative, 連用=advervial or continuous, 終止=conclusive or present indicative, 連体=attributive, 仮定=conditional,命令=imperative などの英単語も重要語でしょうかね。但し、未然・連用・終止・連体・仮定・命令、誰もが知っているこの呪文ですが、時代に即した notion なのかな、なんて、フト、考えてしまいました。何にせよ外国人に正しい英語で日本語をキチンと教えてこそ、真の国語教育だと思います。なにせ国際化の時代ですから。ついでながら正月はキューバに行きましたが、現地ガイドの女性が二年ほと日本語を勉強しただけで流暢にお話しくださいまして、この点に特に感服した旅でした。世界で日本語を教える教師が増える事を切に望みます。つまりは国語を知る方々が英語を学んで世界に飛び出していただきたいのです。
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