大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学< |
現代日本語方言大辞典全八巻の無根系統樹による可視化 |
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私:今日は岐阜市へぶらりと。思わぬ巡り合いでラッキーだった。 妻:巡り合い、って。買った本。 私:そう。日本語「起源」論の歴史と展望、三省堂。 妻:古代の日本語のロマンスね。 私:ああ、それに著者に福井玲のお名前。迷わずレジに走った。 妻:ほほほ、斐太高校の後輩、東大教授のお方ね。 私:韓国語がご専門で、音韻学的な立場から日韓の古代語の共通点を論じておられる。 妻:九州方言って、ぼーっと聞くと韓国語に聞こえちゃうわよね。 私:最終氷河期は朝鮮半島と九州は陸続きだった。人々の自由な往来があった。当然の結果だろう。 妻:ほほほ、自由な往来かしら。半島から今の日本へ、人がどんどん移動して来たのよね。双方向ではなく、寧ろ一方向。 私:かもね。福井論文だけでなく、第十章ゲノムデータと言語データの関係、斎藤成也〈国立遺伝学研究所〉には思わず目が点。私も座右の書で現代日本語方言大辞典全八巻を持っているが、彼は、なっ・なんと、その語彙を無根系統樹としてひとつの図として可視化、おう・やりやがったな、これには脱帽だ。数万語の言葉よりもたった一枚の図が日本各地の方言の系統について極めて的確に、正確に、そしてなによりもシンプルかつ素直に、表現しているんだ。今後、人文科学の世界に於いてもこのような見事な画像での表現が欠かせなくなるのだろう。陳腐と言えなくもない内容が一部見受けられたが、第十章は斬新そのもの、新しい時代、新しい学問の到来を感じ取ってしまった。私の前頭葉は斎藤先生にガーンと殴られた感じたったな。がはは 妻:ゲノムのお話は? 私:紹介記事だが、2019年5月、つまりつい最近、北海道礼文島船泊遺跡から出土した縄文時代人の膨大なゲノムデータの解析結果が発表された。台湾のアミ族との近似点まで見つかったそうだ。 妻:ミトコンドリアが面白いんじゃないの。 私:母系遺伝のお話、ミトコンドリア・イブだね。Genetic analysis uncovers a direct descendant of two different groups of early humans 遺伝学に証明されたネアンデルタール人と人類の男女の恋の物語。本書には残念ながら記載が無い。でも今後、斎藤先生の業績は見逃せないね。 妻:ほほほ、でも遺伝学は遺伝学、人類学は人類学、言語学は言語学よ。 私:まさにその通り。遺伝子と言語を結び付けてしまうのはかってだが、とんでもない間違いを犯すだろう。但し、言語学・国語学が遺伝学を無視するのは、これも愚かな事だろう。世界の人類の中で、日本人と朝鮮半島の人々は遺伝学的に極めて近似している。つまりは血を分けた同胞、古代日本語も要は古代朝鮮語がルーツなんだろうね。遺伝学的に裏づけられていると考えたい。 妻:私達医師は自然科学の信奉者なので即物的なもの、遺伝子に一番に親しみを覚えるわね。 私:その通り。言葉の違いなんて些末な事だ。ところが日韓の人々の遺伝子の近似性、これは不動の真実と言える。 妻:つまりは、あなたと私の間に何がある。海、空、それとも言葉の違い?いえいえ、何もないの、有るのは愛のDNAだけなのよね。恋人同士に言葉は要らないわ。ほほほ https://youtu.be/JshLL3bEu58 ウォー・アイ・ニー 歌:方怡珍(ファン・イーツン) |
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