二文節の文章ですが、前部分は鼻濁音のガ、後部分は濁音のガを示します。答えは、狭いけれどもやりましょう、という意味です。三畳一間の下宿では狭すぎるが、やはりここでマージャンをやりましょう、とでもいう意味です。
飛騨方言は東京語に同じく、鼻濁音の存在する地方です。語頭に立たたないガ行は鼻濁音で発音する事が多いのですが、その一方、助詞・か、は濁音で話される事が多く、従って、鼻濁音か濁音かで文脈が変わってしまうのです。
表題の前部分は、形容詞・狭い+理由を示す鼻濁音の助詞・が、です。そして後部分は、共通語では、せまいか、と発音するべき部分です。品詞分解すると、サ変する未然形+助動詞特別活用(特活)まい+終助詞・か、です。別稿・まいかもご参考までに。
表題を変えて、"せまいが(ガ)、せまいが(カ゚)。"という表現も可能です。意味は同じで、"やりましょう、狭いけれど。"という倒置文になります。
蛇足になりますが、同音異義語の動詞があれば、例えば欠く・画く、"かかまいが(カ゚)かかまいが(ガ)。"という文章が作れます。松ノ木をもう一本画き足そうかどうか迷っているのだが、終に決断して、画き足そう、という場合です。"別に松の木は欠いてはいないが、にぎやかな絵にするために余分に一本画きましょう。"という意味で用いる事ができます。 |