わりと、と言えば割合にという意味になりますが、飛騨方言ではここに、あなたと、という同音異義語が加わります。
飛騨方言では第二人称代名詞は、わり、です。
表題の共通語訳ですが、以下のようになります。
"わりとわりと最近" −> あなたと割合に最近〜、の意味
"わりと最近わりと" −> あなたと最近割合に〜、の意味
"最近わりとわりと" −> 最近あなたと割合に〜、の意味ないし、
最近割合にあなたと〜、の意味
つまりは、割合にあなたと最近、割合に最近あなたと、最近割合にあなたと、の
三様の共通語訳は私は少し抵抗を覚えてしまうのです。
特に、割合にあなたと最近、はかなりの抵抗があります。
最近と割合の二語は、どちらが先でもよいがやはりくっついていなくては、
と思ってしまうのですね。
つまりは表題は三つの副詞句の序列を問うているのですが、
私の言語中枢では、(1)私と、という句はなるべく始めに出たほうがよい、
(2)最近と割合の二語はくっついていないとだめ、という2ルールなのです。
話変わって、英語の学術論文を書く場合ですが、形容詞を、あるいは副詞を複数
並べる時にどちらを先にするのか一瞬迷う事があります。
このような時に便利なのが小生の座右の書、 The Chicago Manual of Style
です。とにかく事細かく説明されています。
ここに数十個の形容詞がある、これを正しく並べてひとつの名詞に
接続させるには、ハイ、ちゃんとルールがあるのです。
そしてその英語文法は日本語表記に通ずるものがあります。
つまりは複数の並立する句を並べるにもルールがある、そしてそれらの句の
意味がわからなければ並べられない、要するにコンピュータができるのは
せいぜい翻訳だけ、こみいった作文は到底無理という事ですね。
おっと、この頁は同音異義語の話題でした。
つまりは同音異義語の機械翻訳すら難しすぎる課題であるという事でしゃみしゃっきり。