飛騨方言で、どさない、どもない、共に、どうってことない、という意味の形容詞で用いられますが、
どさない、は、造作ない、が語源です。どうもない、は、どうもない、が語源です。
さてそもそも、造作ないとは、面倒ではない、わけは無い、たやすい、という事です。
また、造作、とは技巧・装飾という事ですので、
造作ないとは、技巧・装飾がない、と言い換える事もできます。
あっさりと作れるという意味だ、と言い換える事もできましょう。
次いで、どうもない、という日本語は、はて、どういう意味でしょう。どうも、とは、はっきりはしないがどことなく、なんだかという意味です。
つまりは、どうもない、とは、はっきりしていて迷う事が全然ない、という意味です。
従って、どうもない、の逆の意味は、どうも変だ(=あれこれ迷う事)、です。
以上を踏まえまして、どさないのでどもない、どもないのでどさない、
という飛騨方言の意味を考えて見ましょう。
どさないのでどもない
直訳しますと、あっさり作れるのではっきりしていて迷う事がない、という意味です。
例えば夏休みの工作でいきましょう。
- (どさない) 割り箸を数本、セメダインでくっつけて橋を作る事くらいなら、
一時間ほどあれば立派な橋が作れる、簡単だし、それに材料は台所にあるから
- (どもない) 材料を探し回る事もないし、あれこれ予算を迷う事もない。
どもないのでどさない
直訳しますと、はっきりしていてまよわないので技巧・装飾がない、という事になりますが、
やはり夏休みの工作でいきましょう。
- (どもない) お金もかけたくない、時間もかけたくない、簡単に済ませたいという気持ちははっきりしているので、
(つまり作る作品は、やはり技巧・装飾がない簡単な作品、という気持ちなので)
- (どさない) つまりは、男の子なら近くの河原で人の顔に似た丸い石を拾ってきて、目や鼻を書いて、はいおしまい。
また女の子なら白いTシャツにアイロン接着のワッペンをアップリケのお店で買ってジューで、はいおしまい。
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