共通語で"温かい"の形容詞は飛騨方言では"ぬくとい"ですが、今回の変な言い回しは、"かいろ"との語呂合わせのために敢えて用いませんでした。
飛騨方言では"あったかい"もよく用いられるのでご容赦ください。
さて本題ですが"〜ろ"の言い回しは、共通語に言う"〜だろ"の意味になります。
さらには飛騨方言では形容動詞にも"〜ろ"を使用します。文例としては
"えっ、あんた三人もの大学生に仕送りしてござる!そりゃあ、大変ですろ(=大変でしょ)。"
表題は、"かいろで体が温かいでしょ、ほら、温まるでしょ、ホカホカでしょ" という意味なのです。
ここで ハッと気づかれる方がお見えでしょうが、飛騨方言の"〜ろ"の言い回しは単純に"〜だろ"から、
"だ"の部分が脱落してしまった言い方ではありません。共通語では、"大変だろ" とは言いますが、
"大変ですだろ"、とは言いませんし、飛騨方言でも決して"そりゃあ、大変ろ。"とは言いません。
www.k3.dion.ne.jp/~hougen/ 大垣方言研究所、杉崎好洋氏が
お教えくださいましたが、
飛騨方言の"〜ろ"はどうも、古語の"〜らむ"が変化したものらしいとか。そこで、一首、、、
久方の光のどけき春の日に、しずこころなく花のちるろ
うーん、この一首、古語辞典がなくても飛騨の出の私にはなんとなく意味が判ります。
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