飛騨方言も急速に廃れつつあり、佐七も知らない言葉が実は多いのです。
明治から戦後にかけて記された飛騨方言資料に傑作な言葉があります。
そのひとつが、あごたたき、です。
意味は、饒舌家・じょうぜつか、だそうですが。
なるほど、よく話す人の下あごが上あごを頻回にたたいている様子
をあらわした言葉ですね。ただ今ネット検索しましたが、
2007/11/1 16:00 のネット検索を信ずる限りは残念ながら飛騨方言情報としては皆無に近いようです。
ただし角川文庫・方言なるほど辞典、にも飛騨方言の記載があり、
戦前あたりの言葉だったのでしょう。
角川学芸出版様へ、おたく様の出版が無ければ佐七が、
死語・あごたたき、に思いをはせる事もなかったでしょう。
この場を借りて御礼申し上げます。
さて上記の通り、飛騨方言としては残念ながら既に死語のようです。
ネット情報として現在ヒットするのは九州弁と甲州弁です。
勿論、意味は同じく、饒舌家、です。
さて本論ですが、九州・飛騨・山梨、の三者には何の文化的、あるいは地理的な
つながりはありません。
つまりは筆者の推論ですが、これらの地方において自然に発生した言葉なのでしょうね。
そして飛騨では、別の同意語・しゃべりばち、が方言として生き残っているという
事なのでしょう。
即ち、飛騨においては、あごたたき、はいつの時代かの自然発生的流行語であろう、
というのが筆者の主張です。
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