風邪を引く、とはちょいと調子の悪い事、とも置き換えられ、
何か都合の悪い時の理由に用いればよい言葉ですね。
せっかくのお誘いがあっても、実はもっと大事な用事がある場合は、
風邪を引いておりますので、せっかくのお誘いですが、早々に退社させていただきます、
また今度の機会に、是非ともお声をかけてください。
今回ばかりは残念な事でございます。
とでも言っておけばよいのでしょう。
さて、土田吉左衛門著・飛騨のことば、に、
薬が風邪を引く、という言い回しがありました。
説明するまでもありませんが、敢えて。薬の効き目が弱い、
という意味です。
風邪薬の話になりますと、風邪をひいた薬を飲んでも風邪は
治らない、という笑えない話になりますが、膏薬が風邪を引いている、
とは膏薬を貼っても腰痛が治らない・つまり膏薬の効き目が弱い、と言う
意味になります。
せっかくですから英語の勉強も少し。
この飛騨方言の言い回し・風邪を引く、は be not working という意味です。
日本語に直訳すると、こわれている。また、こわれている、と言えば英語で
be broken という言い方もあります。こちらは、物理的に破壊されている、
という意味です。つまりは、骨折している、という比喩表現が
よろしいのでしょうね。
つまりは、膏薬が骨折している、という意味は、膏薬がベリッと
破れてしまった状態に例えられましょうか。ただし、この言い回しは
たった今、佐七が考えた新飛騨方言という事で。
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