飛騨方言は東海方言の下位分類で、
共通の言い回しが多いのですが、
そのひとつが表題の言い方でしょう。
ごれは、〜しているようにみえる、という意味ではなく、
〜していらっしゃる、という意味での尊敬表現なのです。
飛騨の人間同士、あるいは飛騨の人間と名古屋の人間の会話では
気付かれにくいでしょう。
全ての動詞で、連用形+てみえる、が尊敬表現になります。
例えば、来る、の尊敬表現としては、いら
っしゃる・来ていらっしゃる・おいでになる、
等がありましょうが、飛騨方言の尊敬表現は、来て見える、です。
見ていらっしゃる、の尊敬表現は、みてみえる、になっちゃうのです。
表題に戻りましょう。せっかく尊敬表現で話したつもりでも、
しているようにみえる、という意味で話したのかと誤解されてしまうと
大変です。しているようにみえる、とは、していないも同然だ、
かっこうだけしている振りをしやがって、という意味で話しているのかも、
と思わぬ誤解があってはいけませんものね。
そう言う事は十分にわかっていても、肝腎な時に佐七も、ついつい、
〜してみえる、と言っちゃいますね。言い易いですもの。
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