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アクセント 1.トーン ---- a. 音節トーン i. 曲線トーン - 中国語、タイ語等 ------------ (*)
(広義) ii. 段位トーン - エウェ語等 ------------------ (*)
b. 単語トーン ---------------- 鹿児島方言、琉球方言 -------- (*)
2. アクセント a. ピッチアクセント ---------- 日本語の方言の大半、朝鮮語 -- (*)
(狭義) (狭義)
b. ストレスアクセント -------- 英語、露語、独語、スペイン語
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(*) 広義のピッチアクセント
アクセントの定義には広義と狭義があります。トーンとは単語の種類に関係なく、
ある文節において音の上げ下げのパターンで、中国語では、あがりっぱなし、上がり調、下がり調、下がりっぱなし、
の四種類があります。おなじ、マー、という音でも、この上げ下げパターンで意味が異なるわけです。
滑らかに変化すれば曲線トーンのアクセントです。
鹿児島のアクセントは特殊で、語の一番最後の音節が高いか、最後から二番目の音節だけが
高いか、の二種類のアクセントの型しかないのです。同じ単語でも助詞がつく、つかないで
アクセントが変わります。
狭義のアクセントというのは、文章のどこの部分で用いられようがアクセントが変化しない
言語をいいます。これには二種類あり、単語の発音の高低によるものがピッチアクセントです。
東京語はじめ日本語の方言の大半は語の高低をアクセントに用います。
誤解していけないのは、東京と関西ではアクセントが違うという事と、
狭義のピッチアクセントの意味です。
東京も関西も、実は、純ピッチアクセントであり、違うのは語ごとの
パターンです。
一方、英語などでは単語のどの部分が強弱であるのか、という事がアクセントになります。
この点は、英語と日本語が異なるアクセント体系である事の
決定的な要因となります。語の強弱と高低には超え難いみぞがあるのです。
更には広義の意味のピッチアクセント、という概念があります。ストレスアクセントの
言語以外、つまりはピッチアクセントの言語とトーンアクセントの言語は、音の上げ下げ
が結局はアクセントである、という意味で広義の意味のピッチアクセントなのです。
cf. 斎藤純男・日本語音声学入門、三省堂 ISBN4-385-34588-0