大変に興味ある論文があります。
Native Language Magnet
ワシントン大学のキュール先生の Native Language Magnet 理論。
日本語の訳があるのでしょうか、不肖佐七がかってに母語磁石理論と
名付けて見ました。
原文のままの抄録は
Infants are born "citizens of the world" with regard to language. They can distinguish sounds from languages around the world, even if they've never heard them before. By the end of the first year of life, however, they become "language-specialists," and the ability to attend to sounds from foreign languages greatly diminishes. Dr. Kuhl has proposed the Native Language Magnet/Neural Commitment Theory to account for this dramatic developmental change. The model shows that infants use their computational abilities to "crack" the speech code and, interestingly, that infants' social skills play an important role in learning.
これを逐語訳しましょう。
赤ちゃんは言葉に関しては
まずは世界市民として生まれるのです。
赤ちゃんこそが例え聞いた事のない
言語でさえ、世界中のあらゆる言語を
聞き分ける事が出来るのです。
しかしながら赤ちゃんは一才前後には
たったひとつの言語のスペシャリストに
なってしまい、その他の言語に興味を
示す能力は急速に萎えてしまいます。
キュール博士は赤ちゃんのこの劇的な変化
を母語磁石理論と名づけます。
この理論によると、赤ちゃんには
無限とも言える世界のあらゆる言語のコードを次々と
つぶす能力があり、母語のコードのみを
残す潜在力があるのです。
そしてその潜在力はその子の
社会的なかかわりあい能力が
重要な意義を持つのです。
佐七が小学校の時だったか、何かで読んだようなうろ覚えがありますね、
インドで運良く狼に育てられた赤ちゃんが子供になって
発見されたがその子は結局、言葉を覚えられす、
手厚い福祉にもかかわらず早死にしてしまったとか。
人間とはヒトとヒトつまり親の間にいてこそ、とはうまいこと言ったもんやさ。
方言サイトですから話題を絞りましょう。
キーワードは四つ仮名弁です。
四つ仮名があるのだから勿論、三つ仮名も二つ仮名も一つ仮名もある。
ご興味ある方はネット検索なさったらよろしい。
本稿はそこをダラダラと書くのが目的ではありません。
さて飛騨方言は二つ仮名弁(ジ=ヂ,ズ=ヅ)、
大変ありがたい事に東京語に同じ、
従ってズーズー弁が聞き取れない。
人は東北に生まれれば一つ仮名となり、飛騨に生まれれば二つ仮名ですが、
でも飛騨の皆さん、心の中でひょっとしてズーズー弁を
舌足らずの日本語であると考えてはいらっしゃいませんか。
そもそも別の言語なのですから聞き取りにくいのは当たり前ですね。
わりが赤ちゃんの時にクラックしてまっとるんやさ。
結論ですが四つ仮名弁問題では同音異義語が増えれば意味の混同がおきやすい。
佐七のお願いがひとつ、学者の皆様でこれを数値化してくださいな。
国語の数値化です。
また更には第一フォルマント、第二フォルマントに優位差があるのでしょうか。
でもこれは純粋に音声学の話題という事で。
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