大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

Simon E Fisher

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私:一人の研究者をご紹介したい。サイモン・フィッシャー。

君:英国生まれ育ちの遺伝学者さんね。
私:そう。スバンテ・ペーボが foxp2 遺伝子(言語遺伝子)を発見してノーベル賞を受賞した(絶滅したヒト科動物のゲノムと人類の進化に関する発見)。ネアンデルタール人の話だな。それに関して。
君:サイモン・フィッシャーの業績は?
私:彼も同時期に英国の家系で foxp2 遺伝子を発見、その後は次々とこれにまつわる遺伝子などを発見して、遺伝子と言語の関りを解明した。私が医学部を卒業したのは 1978、当時の神経学の教科書に記載されていた言語障害に関する一連の疾患がサイモン・フィッシャーによって謎解きされた事に感謝する。ユーチューブで聴講できた事にも感謝している。この動画に飽き足らない人は彼の CV へどうぞ。一般的な読み物としてはSimon Edward Fisher (1970-)などもお勧め。
君:当サイトの持ち味は複雑な話をたった一言で表すという事じゃなかったかしら。
私:その通り。彼の最大の業績は foxp2 が第七染色体に位置する事を突き止めた事かな。 foxp2 に続いてCLCN5、CAGH44 などの(言語)遺伝子を次々と発見していった事も。畢竟が foxp2 as a molecular window という言葉。しびれるね。彼の偉業は書き出せば切りがない。
君:ダーウィンの信奉者なのね。
私:僕もダーウィンの信奉者だ。ダーウィンはエジンバラの人。エジンバラの科学博物館には「種の起源」の原著が展示されている。もうひとつは羊のドリーの剥製。
君:羊のドリー?
私:世界初のクローン哺乳類。世界でもっとも有名な羊だね。
君:あら、世界初のレコード、エジソンが歌ったメリーさんの羊じゃないかしら。ところで foxp2 遺伝子欠損の患者様は話しにくいという障害なのね。
私: childhood apraxia。僕はおしゃべりは好きだ。孫との会話が至福の時間だね。三歳の孫娘が、このエリアは・・、と説明しだした時は思わず笑った。いつ覚えたのだろう?
君:そういうのをエニグマというのよ。国語学と医学を結び付けるのが foxp2 遺伝子のようね。こころならず/かたりたる/あきつくに/なる/ことのは/げに/こころ/よげ/なる事/ foxp2 の/みたま/なる/技と/知りて/たふとき事/かぎりなし。

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