大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

左大脳半球優位性

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私:国語学は言語学の下位分類、言語学を理解するには脳科学の理解が必須という事で、動物の中でも人間だけが持つ言語能力。巨大な脳のおかげだが、脳は左右対称。ところが言語を司るのは左大脳半球だけで、右大脳半球は関係ないと思っておけば間違いない。Roger W. Sperry が発見、この業績により彼は1981年のノーベル医学生理学賞を受賞した。
君:右脳は別のお仕事をしているのね。
私:以下の簡単な絵がそれを物語る。Left Brain vs. Right Brain Dominance

君:左大脳半球は男性らしくて、右は女性らしいとでも言いたいのね。
私:いや、そんなことはないが左の機能は logic, numbers, analytical thinking, science, sense of time, language であり、右は expression, emotional intelligence, creative, art, intuition, imagination など、左右で機能が分かれている。言語脳、文法というものは左大脳半球にあり、右大脳半球はアクセント、プロソディ、など、所謂、感情表現などを司るんだ。左右の脳がなければ言語機能は成りたたない。
君:どうして左右対称に働かないのかしらね?
私:右半身の知覚と運動は左大脳半球が司る。逆に左半身の知覚と運動は右大脳半球が司る。しかも左右が独立している。当たり前と言えば当たり前、四肢は自由に独立して運動させることができる。ただし、言語については際立った違いがあるんだ。わかるかな。
君:いいえ。
私:言語を発するのは呼吸器、つまり気道であり、然も言葉というものは呼気運動の一種だ。そして使用する運動器(声帯から唇までの臓器)は全て体の真ん中、つまり正中にあり、完全に左右対称の動きをする事で成り立っている。どんなに訓練しても片方だけを使ったり、左右が異なった運動はできない。当たり前といえば当たり前だが。この当たり前の事実が左大脳半球にのみ言語中枢がある理由じゃないだろうか。
君:ほほほ、つまりは赤ん坊は声帯から唇までの臓器を動かす訓練をしているうちに、左大脳半球のみを使って左右の発声臓器に対して完全にシンメトリックな動きをさせる術を身につけたのでは、という事ね。佐七仮説といったところね。
私:うん。乳児の脳発達を考えてみよう。全ての骨格筋への神経は錐体交差(延髄交差)で左右が入れ替わっているし、錐体外路で同側の骨格筋も動かす。乳児は左右対称の骨格筋の動きの産物である発語の機能を獲得する過程で、右大脳半球がずる休みをする事を覚えてしまった、というわけだ。両手・両足については四つが独立して運動する事を覚えねばならない。でないと、ハイハイが出来ないからね。ははは 脊髄の機能(1)|神経系の機能


君:ほほほ、ところが右大脳半球はずる休みを覚えただけでなく、左大脳半球の言語野にちょっかいをする事をマスターしてしまったという事ね。それがアクセント、プロソディ、など、所謂、感情表現という事なのよね。確かに乳児の脳発達で説明できそうね。
私:その通りなんやさ。やはり左大脳半球は男なんやえな。男はATMなんやさ。そしてATMを操作しているのが右大脳半球という名の妻なんやさ。
君:結局のところは左と右で化かしあい、つまりは本当は左右のどちらが優位なのか、わかったものじゃないわね。夫婦と同じね。ほほほ

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