大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

最小語条件 minimality constraint

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私:表題だが、当サイトで繰り返し述べて来た事。
君:簡単にひと言で説明してね。
私:日本語は二拍を原則とする。「胃」と言っても京言葉では「いぃ」だし、赤ちゃん言葉でも、パパ・ママ、がいい例だ。
君:「胃が痛い」はどう?
私:「いが」「いた」「い(+休拍)」と発音しているんだよ。
君:日本語というか、全国のあらゆる方言ね。
私:モーラと音節の普遍性、窪薗晴夫、音声研究第2巻第1号1998(平成10)年4月5-15頁を参考までに。九州方言では顕著なようで、宮崎県椎葉村尾前方言における最小語制約:修飾要素の有無,後続する接語の種類に着目して、松岡葵、日本言語学会第162回大会口頭発表. 2021年6月26日, オンラインなど。
君:松岡先生、お若くて、今後に期待ね。
私:そう。英文献もある。Minimality constraints and the prosodic structure of child Japanese,Mitsuhiko Ota,January 1998,Japanese/Korean Linguistics, Vol. 8 (pp.331-344)
君:紹介だけではつまらないわよ。自分の言葉で語らなきゃ。
私:はいはい。40歳近い娘だが、彼女が一歳の時だったか、血の事を「チガ」と言っていた。「血ががでた」とか。
君:なるほど。「ちぃ・でた」から「血が・出た」、そして「血が・が(+休拍)・でた」になったのね。
私:その通り。孫がいるが、その子は二歳。孫は血の事を「ちち」と言っている。
君:ほほほ、日本人の親が子供に日本語を教えるという事は、無意識にモーラ語を教えている、無意識に日本語の最小語を教えている、という事なのね。
私:その通り。娘に妹がいるが、妹の子も二歳。この子は血の事を「チガ」と言う。私ども夫婦と娘二人の家族四人で話題になってしまった。
君:それでモーラ語のうんちくを演説したのでしょ。
私:ラテン語がそうだな。世界の言語では稀な語族。タミル語とかフィンランド語かな。母音優位としてはオーストロネシア語族。とにかく方言を考える上で、特に音韻学だね、最小語条件はとても重要。
君:あの、ひとついいかしら。
私:どうぞどうぞ。
君:方言学を楽しむのは結構、家族の会話も尚の事結構、一を知って十を知るのも結構ですが、ただしもう少しばかり情報を集めたほうがいいわよ。ほほほ

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