大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
形容詞の語幹 |
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私:用言は語幹+語尾、そして形容詞の語尾は「い・しい」なので簡単、従って今夜は形容詞の語幹について考えたい。まずは★名詞だね。赤・白、で赤い・白い。よく問題になるのが、形シク「あらたし・あたらし」。 君:「あらた」があるから「あらたし」、「あたら」があるから「あたらし」はよいとして、「あたら可惜」「あらた新」という二つの名詞があるので、どちらが先なのか、或いは同時なのか、はっきりしないわね。 私:そう、はっきりしない。 君:和語名詞、つまりは上代からの形容詞は、兎も角、語幹は名詞ね。 私:次にわかり易いのが★オノマトペ。すがすがしい、ずうずうしい、等々、重畳語が多い。 君:形シク・ゆるし緩、は、ゆらゆら、から来ているのよね。 私:次は★動詞連用形。動ハ上ニ「こふ恋」から形シク「こひし恋」、口語では「こいしい」。「おゆ惜」から「惜しい」とか。 君:ほほほ、続いては★動詞未然形。動カ四「なつく懐」から生まれた「なつかし」がそうね。探せば結構ありそう。 私:そうだね。変形タイプとしては「めづ愛」から「めづらし珍」とか。 君:「やす痩」から「やさし優」とか。 私:変わったところでは★形容動詞の語幹。国語クイズによく出る問題、「黄色い」と「黄色だ」、はて、どっちが古い? 君:日本は色と言えば「赤白青黒」の四色だったのよ。「黄な色」「黄色の」の言葉があって、つまりは「黄色なり」と言っていた。つまりはそもそもが「黄色い」という形容詞は存在しなかった。形容動詞があって、形容詞が生まれたという事ね。 私:茶色い、という言葉は、なんと現代語。戦後の言葉だったかな、たしか。「緑だ」とは言うけれど「緑い」という形容詞が存在しないのも同じ理屈。 君:出尽くしたわね。形容詞の語幹は、名詞、動詞、オノマトペ、形容動詞。 私:ここで問題となるのが全ての名詞はそのまま形容動詞になれるけれど、全ての名詞がそのまま形容詞に成れるわけではないという事。不思議だ。 君:例えば。 私:「赤い・赤だ」共に成立するが、「大変だ(たり)、大変な(なり)」とは言うが「大変い」とは言わない。 君:「たり」は「てあり・とたり」から、「なり」は「にあり」から。つまりは格助詞「て・と・に」は全ての体言に接続可能だから、というのがカラクリね。 私:だろうな。問題は形容詞の語尾「し」だが、別の機会に。ところで形容詞も捨てたものじゃない。語尾が「らしい」だと、造語機能が大で、女らしい、先生らしい、とか名詞を形容詞化できる。 君:ほほほ、「〜でない」も結構、造語機能があるわね。大抵でない、お呼びでない、気が気でない、ワニは哺乳類でない。 私:若者言葉で、ナウい、エモい、などもある。 君:エモい、はエモーションからではなく、えも言はれぬ、から来ているかも知れないわよ。ほほほ |
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