大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
うざ・きも・きしょ |
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私:表題だが、若者言葉。つまりは階級方言。流行語、という言葉もある。うざい(中納言コーパス154)、はうざったい。きもい(同43)、は気持ち悪い。きしょい(同2)、は気色悪い。クリックするだけで時代別分出現頻度が出るのが中納言の有難いところ。当然ながら三語とも現代語どころか、平成から辺りの言葉。 君:良識ある大人は俗語表現は避けるものなのよ。 私:同感です。きしょい、の意味を知らなくても何ら恥じる事はない。ぐっと情感に訴えるさまをエモい、と言ったり。語源はエモーションだそうだ。きしょい、は関西の言葉で、東京じゃ通じないそうだ。 君:そうかしら。少しばかりネット検索したところで、真実とは限らないわよ。SNSの時代なのだから。 私:三者の中で「うざい」は一番に歴史がありそうだね。 君:コーパスのヒット数が物語るわね。書き言葉があったという事でしょ。戯曲かしら。あるいは漫画とか。 私:近世語に既に「うざったい」があるからなあ。勿論、同語は古語辞典にはない。ところがおっとどっこい、「うざうざ・うじゃうじゃ」という擬態語がある。意味はほぼ同じだな。柳多留等。「うざいがき有罪餓鬼」という仏教用語すらあるんだよ。餓鬼のうちで膿血などの不潔なものを食う事の出来る小財餓鬼。食べ残しやお供えを食う事の出来る多財餓鬼を合わせて言う称。人では守銭奴を意味する事もある。 君:無財餓鬼もあるのかしら。仏教用語で。 私:あるある。極貧で、のどに通る食物も無い餓鬼。ただし、うざい有財であれ、むざい無財であれ、あまり意味が変わらないので、将来に「むざい」という若者言葉が出現する可能性はゼロに近いでしょう。 君:SNSは短呼化の世界だから「うざ!」「きも!」でもいいんじゃないかしら。 私:そうだね。活用語尾は明示しなくても意味は通じそう。情感を表す名詞あるいは擬態語等の最初の二拍で若者言葉の形容詞になるわけだ。私的には「色っぽい」という形容詞は使えても、例のあの言葉 eroticism の三拍形容詞は、恥ずかしくて言えないね。今、ふと、「セクい」という若者言葉が無いか、ネット検索したらヒットゼロ。そこまでは良かったが、関連語として「セクマイ」があった。セクシュアルマイノリティーの略のようだ。セクマイカップルという言葉も見つけ、思わず目が点。 君:あなた、顔文字まちがえているわよ。それはドングリ目。思わず目が点はこれよ。 私:(汗) 君:(笑) |
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