大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

ミ語法

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私:そう言えば奈良時代の形容詞に「ミ語法」なんてのがあったな、という回顧談。多分、高校の古文、万葉集。ネット情報としては、例えば、上代形容詞連用形の一側面 : 万葉集においてミ語法との関係から『万葉集』巻二・一一九番歌の訓読と解釈
君:なんとなく五十年前の斐太高校時代の古典の授業の思い出がよみがえるのね。
私:ああ。「おっ、なんや此の言い方は。かっこいいやんか。」という意味ですわい。
君:あなた、高校時代の思い出を語りたい、というよりは、何か、よからぬ事を考えているのでしょ。
私:今日は、どうして「ミ語法」なる用法が生まれたのか、フト、大胆な仮説が思い浮かんだ。
君:ほほほ
私:恥を書くだけの話になろう事は想像がつく。そこを敢えて。これって動詞の影響じゃないのかな。ヒントは連用形。
君:ほほほ、「む」で終わる動詞の連用形ね。
私:そうなんだよ。まずは二拍という事で「あむ編」「いむ忌」「うむ生」「ゑむ笑」「かむ噛」という和語動詞があり、万葉集に文例がある事を確認した。それと時代的な背景。つまりは奈良時代は動詞の活用が確立した時代。その一方、奈良時代の形容詞の活用は動詞と比べるとまだ十分に整備されていなかった。元々は「く」を体言に接続し副詞として用いる方法、つまり連用形、からスタートしたらしい。続いて接辞「い」により連体形が生じ、更に未然・已然が生じた。「あみ編」「いみ忌」「うみ生」「ゑみ笑」「かみ噛」の延長上として形容詞「ミ語法」が生まれたんじゃないかな、という単なる思い付き。
君:でも「ミ語法」は平安には和歌としては残るのみで、消滅しちゃったわよ。
私:いや、接続助詞「て」が生まれ、「みて」に変化した。
君:「瀬をハヤミ」、これは「瀬をハヤミテ」。
私:ははは、ひっかかったぞ。その通り。他マ下二「はやむ早」の連用形になったんだよ。ここでパンチが利くのが目的格の格助詞「を」だ。まさにはまり言葉。どんぴしゃりだ。
君:古典漫談ね。左七君は予備校の講師には向いているかも。
私:まあ、何とでも言ってくれ。可能性はおおいにあると思う。人には想像する権利がある。考えている事をネットに発信する権利も。
君:ほほほ、変な事を書いてはいけないという義務もあるわよ。

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