大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
味気ない・情け無い |
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私:表題だが、どう思う。 君:うーん、高校入試問題。 私:のようだね。僕自身、今まで意識して使って来なかった。 君:要点を言ってね。 私:良い子の国語教室、エーコの国語教室といったところだが、戦後の日本国民は等しく学校文法を中等教育で習う。学校文法には補助形容詞「ない」の定義がある。独立形容詞「ない」は漢字の表記「無い」が認められるが、補助形容詞「ない」は漢字表記をしてはいけないという規則。法令、出版物、等、そのようになっているのだろう。 君:「味気ない」は補助形容詞で、「情け無い」は独立形容詞ね。 私:「味気」という名詞もあるし、「情け」という名詞もある。ここまでは良し。だからと言って、「あじけない」は「味気が無い」という意味ではない一方、「なさけない」は「情けが無い」という意味なんだ。 君:はて「あじけない」の語源とは、と言う命題ね。 私:要はそういう事。「あぢきなし」の語源は「つきなし」と関係が有ろう、萬葉集にある「あづきなく」という副詞形で三首にだけ用いられ、いずれも、無意味に、無益に、つまらなく、という否定的・批判的な意。ここから形ク「あづきなし」が生まれ、やがで形ク「あぢきなし」に音韻変化し、後世に「味気無」が当てられた。スタートは「無道」の表記で「アヂキナク」の音韻だったんだ。 君:格助詞「が」が入って意味が通れば独立形容詞という姑息な手段は通じないわね。 私:そこが国語の怖い所でもあり、面白い所か。要はひとつずつ覚えていくしかない。自信が無ければ平仮名表記が無難だ。自信なけりゃ平仮名で。ぶふっ 君:塩気無い、茶目っ気無い、等は合格かもしれないわ。 私:そうだね。塩気や茶目っ気が無い、の意味。ところで、誰それちゃんは色気無い、なんてのはどうだい。 君:なによ、失礼な。あなたこそ男っ気無いわ。ほほほ |
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