大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
連用形ウ音便 |
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私:表題については既に方言学のコーナー(東西対立)にお書きした。飛騨は京都と同じくウ音便ありの地方。岐阜市も名古屋もそうじゃないかな。 君:京都の影響って侮れないのね。 私:東京と京都、飛騨はどちらに近いか、と言うと京都に近いという事になる。鉄道の歴史がそうだ。JR中央線が全通したのが明治44年。この年になってやっと飛騨の人達は岐阜県中津川駅までテクテクと歩いていけば首都東京にいけるようになった。 君:JR高山線は。 私:全通が昭和9年。岐阜・下呂が昭和5年、岐阜・萩原が昭和6年だから、鉄道史的には東京の方が京都より近かった事がわかる。 君:矛盾しているじゃない。 私:いやいや。東海道線の全通が明治22年。つまり明治21年までは名古屋を中心に考えると京都が圧倒的に近かった。つまりは飛騨から見ても京都が圧倒的に近かった。そして中央線が全通しなければ飛騨の人達が三日もかかって中津川駅を目指して歩き東京に行く事は無かったので、つまりは明治44年までは飛騨から京都へのアクセスのほうが飛騨から東京へのアクセスよりも良かったんだ。 君:なるほど。明治44年までには京都の連用形ウ音便が中京圏、ひいては飛騨にも影響を及ぼして根付いていたのでは、という論法ね。 私:事実として飛騨はウ音便の地方だから、それに合った屁理屈を考えようという左七の魂胆だ。今の時代はネット社会なので、全国津々浦々が同じ文化なので、方言周圏論は成立しない。 君:要は明治44年までは京都が名古屋に、そして名古屋が飛騨に、連鎖反応的に影響を与えたという事ね。 私:うん、早い話がそういう事なんだろう。名古屋は連用形ウ音便だね。とても美味しいという意味で「どえりゃあうみゃー」という都会だ。豊橋、静岡あたりからは東京の影響で「すごくおいしい」とか言うんじゃなかったっけ。若し違っていたらごめんなさい。 君:そういう意味では北陸辺りももろに京都の影響を受けているのね。 私:その通り。アクセントなんかがそうだ。福井県とか。隣県だから当然だよね。 君:でも飛騨は東京アクセントだわよ。飛騨は東京アクセントなのに畿内の連用形ウ音便って、なんだか矛盾していないかしら。 私:おっしゃる通り。飛騨方言は東京と京都を足して二で割ったような方言だ。畿内文法と東京アクセント。 君:連用形ウ音便は文法であり、アクセントではないという事ね。 私:そう。全くの別物。 君:はようそれ、言わんと。これって飛騨方言ね。ほほほ |
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