大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
動詞と形容詞の違い |
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私:形容詞と動詞が異なる品詞である事は子供でも知っているが、ちょいと考えてみれば不思議と言えば不思議だね。 君:どういう事? 私:「君が恋しい」と「君に逢いたい」、両者にいったいどれだけの感情の違いがあるというのだろう。 君:ついでと言えば、ク活用もあるわよ。私は可愛い。 私:ぶっ、それは他人に言わせるべき言葉じゃないのかい。君じゃなくて僕の台詞。要は「い」で終わる述語という強烈な同類項である三品詞たる動詞・形容詞・形容動詞。アクセント学的にもお尻から二番目にアクセント核がある中高アクセント。つまりは同じ。 君:述語だけでは説明不十分よ。 私:おっと、そうだった。正しくは単独で述語になる力、つまりは陳述の能力だね。山田文法に出て来る概念だ。英語の adjectiive の定義は単独で主語となり得ない名詞の事。これを形容詞と訳す事は文法論としては致命的。 white や red 単独では述語に成れない。必ず be 動詞他の動詞が必要。英語を始めとする印欧語の特徴。 君:日本語と印欧語では動詞に関しては共通項が多いのよね。 私:多いなんてもんじゃない。同じといってもいいだろう。ひとつには格表現。目的格、与格、奪格等は日本人が英語を理解する場合も、英米人が日本語を理解する場合にも必須。そして東西を問わず動詞に共通するのは、例えば、ヴォイス、やりもらい、アスペクト、対人的なムード(意志・勧誘・命令)などの性質。ところが、日本語の形容詞はこれらの動詞として重要な性質を持たず、情感・性質等の陳述のみに特化した品詞だ。確かに形容詞にはテンスがあり、例えば、汚なかった部屋を片付ければ綺麗だろう、などと言うけれど、動詞が時間軸に沿って展開していく動的属性の陳述に特化するのとは対照的に、形容詞では時間との関わりは希薄というしかないね。 君:ほほほ、つまりは、それを一言で言い表したいのでしょ。 私:形容詞は動詞の特殊形、というか機能限定形だな。 君:学者の数だけ文法がある。困った左七君ね。 私:ご心配なく。僕は社会に対して何の影響力も無い。自分で思いついた事を文章にして遊ぶ無邪気な子供だ。 君:つまり -- be childish, so to speak -- という事ね。ほほほ |
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