大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 弁別的素性

affricates

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私:「affricates」の日本語訳は破擦音(おん)。 破擦化 affrication と言う言葉がある。「破擦音化」を意味する英語。医学英語としては擦過傷の意味。破擦化とは破裂音化の一種で、調音器官が瞬時に離れれば破裂音そのものだが、調音器官の離れるスピードが遅いと摩擦音が聞こえる。つまり破擦音とは、破裂音+摩擦音 combination of plosive and fricative の事。語源としては Late Latin adfricātiōn。つまり、くっ付くという接頭語+ frication 。
君:破擦音は独立した弁別的素性と考えていいのかしら。
私:勿論その通り。破裂音、摩擦音、破擦音、これ等三者は独立した音。つまりは弁別できる。
君:日本語にもあるのね。
私:そう。各国語にある。
君:日本語の例は?
私:その前に表記の問題だが、二つの音素をタイ記号で結ぶ。当然ながら前部分が破裂音で後ろ部分が摩擦音。
君:タイ記号って音楽で習うわよ。
私:基本的には同じ意味だね。タイとはネクタイと同根だ。二つの同音階を結ぶのがタイ、三つ以上の異なる音階を結ぶのがスラー。音声学の話になると、当然ながら弁別的素性にタイは有るがスラーなる音は無い。蛇足になるが数学では弧記号。両端をアルファベットの大文字で表し、円周(円弧)または曲線の一部を示す。
君:では日本語の例をお願いね。音楽や数学はいいから。
私:ナツ/natsu/夏、ザル/dzaru/笊、オチャ/otca/御茶、ジャマ/dzama/邪魔。
君:なるほど。音韻学的には清音、拗音でも音声学的には破擦音というわけね。
私:日本語のルーツはアルタイ語。古代にはナトゥなどと発音していて、つまりは破擦音は無かったんだよね。いつの時代からか日本人が身に着けた破擦音。歴史を知りたいが、まだそこまで調査が進んでいません。
君:それに簡単な数学問題としては、破裂音の種類と摩擦音の種類つまり二種類の掛け合わせの検討、があるわよ。ほほほ

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