大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 弁別的素性 |
trills |
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私:「trills」の日本語訳は顫動音(せんどうおん)。流れ出る呼気によって調音器官を細かくふるわせるようにして出す音。摩擦音の一種でを震わせるのが舌先 tongue tip trills だったり、口蓋垂だったり uvular trills 。震え音(ふるえおん)とも呼ばれる。ドイツ語やイタリア語の巻き舌。 日本語には無い。--- Trills of the lips are even rarer but do occur in a few African languages --- 君:顫動とは、これまた聞き慣れない言葉ね。 私:扇動ではないからね。明治の造語だな。学術誌の訳本に、声とは空気の顫動によるもの、とかいう形で出てくる。西周(にしあまね)の作らしい。 君:明治の先人の方々は苦労して日本語を創作なさったのね。 私:要はそういう事。ところでアフリカの言語は別として、舌先と口蓋垂、これには共通項がある。 君:口腔内という事ね。 私:そう。声門より上で、唇より内側、だから呼気で振るわせる事ができる。この呼気は有声母音。つまりは有声母音の二次加工が顫動音だ。 君:なるほどね。 私:実は他にもある。 君:うーん。ヒントをお願いね。 私:ヒントは硬軟。 君:なるほど、それなら簡単。舌先と口蓋垂は軟組織だから震える事ができるのね。そして相手方は硬組織。 私:その通り。相手方は舌の場合は硬口蓋で、口蓋垂の場合は咽頭後壁。硬口蓋も咽頭後壁も共に骨に薄皮が付いている器官、つまり筋肉の無い器官なので震えない。 君:飛騨方言とは無関係な話題ね。 私:あれれっ! 君:ほほほ |
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