大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 音声学

sound spectrogram

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私: sound spectrogram の周波数分析のお話を。
君:それって物理のお話でしょ。ここは国語学の場よ。
私:言葉というものは空気振動そのもの。だから僕は方言というものを突き詰めて考えたいんだ。
君:ならば、判りやすい話にしてね。
私:ほいきた。
君: sound は良いとして、 spectrogrm とは?
私:波の伝わりの時間経過を図示化したもの。
君:意味がわからないわ。
私:言葉というものは窒素対酸素が四対一で混ざった物体の粗密度、これが波のように伝わる事だ。話者の脳に言葉の概念が生じ、言葉を発し(デジタル情報のアナログ変換)、聞き手は耳で感知し(アナログ情報のデジタル変換)、最終的に話者と聞き手に言葉という同じ情報が共有される。
君:ますますわからないわ。
私:うーん、ではこんな説明はどうかな。例えば私が/ア/と発声し、君がこれをアであると聞き取る。僕と君の間に介在していものは空気、その空気はどのようになっていたのだろう。とても簡単な現象か、あるいはとても複雑な現象か。ヒントは周波数分析。
君:ほほほ、それはありがたいヒントね。つまりはとても複雑な現象。一言では説明しがたく、一枚の spectrograph が物語る超アナログ情報。
私:その通りだ。/ア/は片仮名一文字で記述可能な単音だが、空気の物理現象としては、複数の周波数が折り重なった複雑な現象。ただし周波数というものは低い・高いで表される一個のパラメータ。/ア/の周波数の分析はフーリエ展開すれば可能。ただし各周波数には強弱というものがある。これも一枚の画像に表現しなくてはならない。通常は heat map の形式で表現する二次元グラフ。
君: heat map とは?
私:暖かいのは赤、冷たいのは青、従って強は赤、弱は青にて表現する。勿論、グラデーションをつける。
君:なるほど。 heat map つまりはカラー表示ではなく、濃淡表示でもいいわね。
私:その通りなんだよ。 spectrogram は三次元表示するのがよりリアルだ。X軸が時間、これは良しとして、Y軸とZ軸は周波数と強度。
君:なるほど、時間と共にボコボコと山ができるのね。
私:そう。母音の場合は幾つかの連山ができる。低い周波数から順に第一フォルマント、第二フォルマント、と名付ける。
君:楽器というものは管や弦の形状で固有振動数が規定されるから第一フォルマントしかなさそうね。
私:とんでもない。バイオリンの澄み切った音、例えばラ、これも複数のフォルマントの芸術といってもいいね。
君:ほほほ、わかるわよ。プロの弾き方とアマがギコギコと弾くのでは響きが違うものね。 ほほほ

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