大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

土田吉左衛門著書にみる飛騨方言の音韻の変転

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土田吉左衛門著・飛騨のことば、にかつて飛騨方言に存在した音韻が集大成されています。明治時代あたりには用いられていたのでしょうが、約半数の音韻は戦後あたりまでには消滅しているのでしょう。
長音の短呼化
  学校・がっこう がっこ
   砂糖・さとう さと
  豌豆・えんどう えんど
蝶々・ちょうちょう ちょちょ
  煎餅・せんべい せんべ
  先生・せんせい せんせ

短音の長音化   蕗・ふき ふうき   杣・そま そーま  小屋・こや こーや   紐・ひも ひーぼ  杓・しゃく しゃーく  露地・ろじ どーじ    賑わう にーわる 暖簾・のれん のーれん 
清音の濁音化     亀・かめ がめ    頭・あたま あだま     蟹・かに がに    独楽・こま ごま  洗濯・せんたく せんだく 巾着・きんちゃく きんじゃく   砂糖・さとう さど   汁粉・しるこ じるご   蜻蛉・とんぼ どんぼ     棺・かん がん
直音の拗音化 桟敷・さじき しゃじき 座敷・ざしき じゃしき 草履・ぞうり じょうり 左官・さかん しゃかん   錆・さび しゃび 柘榴・ざくろ じゃくろ 昨日・きのう きんにょ   匙・さじ しゃじ 兄貴・あにき あんにゃ
拗音の直音化 脚絆・きゃはん けはん 如来・にょらい のらい
直音の促音化    何処・どこ どっこ ご馳走・ごちそう ごっつぉ   此方・こちら こっち   其方・そちら そっち   彼方・あちら あっち     一番良い いっちぇー   鶏冠・とさか とっさか
音韻の脱落 押し付ける おしける    官員 かいん    玄関 げんか  桟だわら さんだら  春慶塗り しんけぬり 仕様が無い しゃあない しなさんな しなんな しなさいよ しないよ
語の転倒   首筋 くびずし  たまご たがも  からだ かだら   茶釜 ちゃまが   戸棚 となだ   仲間 なまか 根深・  ねぶか ねくば   着物 きのも   仰山 ぎょーんさ
語の重畳    鮎 あいのいお    蝿 はいむし    猿 えんこざる    鯛 たいのいお   唐人 からのとうじん   後妻 あとこさい 豌豆・ えんどう えんどまめ   返事 かえりへんじ 罫紙・  けいし けいしがみ 

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