大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

合拗音

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私:今日の話題は合拗音(ごうようおん)。「くゎ」「ふぉ」の音。つまりウ段。「キャ・キュ・キョ」などのイ段は開拗音と呼ばれる。そもそも拗音とは一モーラだけれど二文字でないと表現できない音の事で、古代の日本語には元々なかった。然し漢字の伝来と共に中国からやってきた。拗音に対して一字で表現できる音を直音といい、別名がイロハ48文字などと呼ばれる。本日の話題だが、拗音には開拗音と合拗音の二種類がある。言葉の由来は発声する口の開きによる。大きく開くのが開拗音で、すぼめるのが合拗音。
君:合拗音は開拗音と違って現代共通語には存在しない音韻ね。
私:一般論としてはその通り。クヰ、クヱ、クヲ、の旧仮名遣いの音韻と共に漢字音の流入と共に外来音として定着した時代もあったが、「くゎ」「ぐゎ」を除いて中世前期頃に消滅する。
君:でも、日本各地に方言として残っているのじゃなかったかしら。
私:そう。東北、北陸、山陰、四国、九州、沖縄の一部にかつて存在したが、令和の時代には消滅という事でよいかと思う。
君:飛騨方言にも元々、存在しなかったのかしらね。
私:そうだね。然しながら、浄土和讃とか、仏教の経典を正確に発音すると当然ながら合拗音での発声という事になる。例えば弥陀の本願(フォングゥァン)。それでも、僧籍の人々ですら、ホンガン、と直音で発音する事がほとんどじゃないかと思う。
君:でも、共通語・飛騨方言は共に外来語の発音では合拗音を用いるわよ。スクワットとか、チーズフォンデューとか。 ほほほ

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