大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

形態素

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私:方言学を少し離れて、音韻学のお話を。形態素 morpheme について。
君:一言で説明をお願いね。
私:形態素は語根、接辞、接語の総称。より具体的なお話となると、ことばを細分解しても意味を持つ最小単位。言葉で最も長いのが文 sentence。言葉を分解して最も小さい単位が音韻論でいう所の音素 phoneme。形態素とは文より小さく、音素より大きい一つの意味としての最小単位。自動車は「じ・どう・しゃ」の三つの形態素からなる。形態音韻論とは形態素における音韻交替を扱う、言語学の一分野。形態音素論ともいう。アメリカ構造言語学の考えの輸入版だ。
君:形態素には種類があるのかしら。
私:そう。自由形態素と拘束形態素に分かれる。あめかぜ雨風、という言葉があるが、あめ雨、かぜ風、の単独でも用いられる事がある。このように単独で使用可能なものが自由形態素。
君:ほほほ、となると単独で使用できない形態素が拘束形態素ね。例えば、あまおと雨音、の場合、あま雨は拘束形態素で、おと音は自由形態素というわけね。
私:動詞が活用する場合、例えば、しらない不知、しら知・ない、共に拘束形態素。動詞の活用とは形態音韻論的に形態素の音韻交替を知るという事。幼児は沢山の文章を覚えて形態素の理解にたどり着く。
君:実例がいいわよ。
私:孫がいるが、上の孫が先に「はなしにならない」という言葉を覚えた。使い方も的確。ところが下の孫がキョトンとして、「じいちゃん、どんな意味なの?」と聞いてきた、「話・に・なら・ない」という四つの形態素を説明し、「よくない・だめだ」という意味である事を説明。
君:なるほどね。
私:その後は紙と鉛筆を出して、歯無しにならない、と書いた。上の孫は自由に平仮名が読めるが漢字はまだ。漢字の読みを教えたら、これも理解してゲラゲラ笑っていた。亀が死んで神になりました、男の神様ですか・女神様ですか、とか。
君:答えは?
私:女神だ。カメがカミになった。つまりはメがミになった。だから女神になったんだよ。
君:笠が神になった。どこで?カサがカミ、サがミ、相模とかね。 ほほほ

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