大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

あれこーわいさ

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私:表題の飛騨方言だが多義語です。代表的な意味としては、いやはや恐縮します。品詞に分解となると、あれ/こーわい/さ。あれ、は頭高、こーわい、は中高、さ、は無核。従ってアクセント核は二個。
君:多義語といわれても。具体的にお願いね。
私:飛騨方言・こわい、は主観的表現形容詞。その意味では同意語なんだが、なにせ人の気持ちを表す形容詞なので、自分が快不快の感情のどちらであるかという事で、意味が異なってくる。
君:使い方によっては、良くとられるか、あるいは悪くとられるかも、という事ね。
私:一般的には良くとられるね。何かプレゼントをもらって、あれこーわいさ、と言えば、もらってうれしいという感情表現になる。
君:この語法を繰り返し、贈り物をかたくなに拒否すれば、もらう事は迷惑、つまりは不快を表現するのね。
私:然り。更には、例え快の主観であっても、恐縮以外に、はずかしい、面目ない、すまない、等々、これ等を表現する語法である。つまりは、どんな場面にも使えます。要は単なる相槌表現、お世辞表現。
君:なるほどそうね、と言いたいところだけれど、実は違うわよ。つまり、この語法は何かの行為に対する受け答えだけの用法、単なる挨拶表現かしら。
私:ははは、その通りだ。単なる挨拶表現ではないね。この語法は話の切り出しにも使えるよ。例えば、あれこーわいさ、百点とってまって。或いは、あれこーわいさ、佐七さんが好きになってまって。
君:あれこーわいさ、言いたい放題ね。自分で自分をほめると返って値打ちを下げるだけなのよ。ほほほ

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