大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

なんにもでんぞ

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私:この飛騨方言の言い回しは、なにもでませんよ、という意味。今回もメタ言語の話題かな。
君:文字通りの意味ではないわね。
私:いやいや、文字通りの意味だが、お世辞を言われた場合のお返しの言葉として。例えお世辞でおっしゃったにせよ、大変に名誉で嬉しい事でございます・ただし何もお礼の物はお出しできませんよ、という意味。
君:つまりは、お気持ちはありがたく頂戴いたします、という意味ね。
私:その通り。この観点においては共通語表現と全く変わらないと言ってもいいかな。
君:そうね。ところで、これって男性の表現よね。女性は何といえばいいのかしら。
私:なんにもでんさ、でいい。文末詞さ、は両性が用いる。老若男女、誰でも。また飛騨方言の敬語体系的検討においても、目下が目上に使ってもいい。
君:女性の他の言い方は何があるかしら。
私:なんにもでんぜな、だな。また、男性が、なんにもでんぜ、という事もある。性別による文末詞表現という話題になってしまったので、今回のメタ言語の話法の話題からは外れると思う。
君:なんにもでんぞ、には対立語の表現もあるわよね。
私:ああ、勿論。なんかださにゃ、とか、なんかだすさ、とかね。
君:と言っておきながら、実は何も出ないのね。 ほほほ

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