国語学、築島裕著、東京大学出版会 大学教養課程における国語学概説の教科書に役立つことを目的として執筆された書、いわば国語学の入門書にふさわしい内容。音韻、文字、文法、語彙、敬語、文体、方言、日本語の系統、等々の概説。図表が多くざっと100、巻末資料が豊富、参考文献も多く紹介。
閉ざされた言語・日本語の世界、鈴木孝夫、新潮選書 日本語を手掛かりに日本と日本人を再発見する書。日本呼気国中どこでも通じ、日本人なら日本語を話すのは当たり前・・だが、実はこれほど純度の高い「単一言語国家」は世界的には非常に特殊。欧米などでは考えられぬ程な強固なこの「言語と日本語の結びつき」は日本文化にとっていかなる意味を持つのか、言語社会学の代人者が日本語感、外国間、そして日本人の自己像を考究するロングセラー。日本人は日本語をどう考えているか、日本人は日本語を捨てたがる?!、若し背は言語では無いという西欧人の文字感とは、日本社会の透湿性と日本語の関係は、異民族に支配された事が無い日本の特殊性とは、いま日本の英語教育に必要な事とは、等を問う書。
日本語学入門しくみと成り立ち、山口堯二、昭和堂 阪大文学部講義テキストの製本化。音韻、上代特殊仮名遣い、手習詞歌、文字表記、漢字と表記、仮名と表記、仮名遣い、送り仮名、句読点、語彙論、漢語の需要、訓読語と和製漢語、翻訳のための造語、国文法各論、敬語の歴史、文体とは、言語生活とは、等々。
日本語の特質、金田一春彦、NHKブックス 日本語の言語の特質を知る事は日本語を効果的に使うためにも、外国語を学ぶ上でも、重要な事である、また、言語は文化を背負っているものであるから、日本語の特質を探る事は日本文化への理解を深める事でもある。漢字をはじめ多くの外来語を取り入れながら発達して来た日本語の発音・表記・語彙・文法などに現れた独特の性格を外国語とも比較しながら明解に説く書。
日本語の謎を解く、橋本陽介、新潮選書 著者は高校教師で、教え子に「現代日本語、古文、漢文、英語、その他の言語について、疑問に思う事をできるだけ多く挙げよ」と問い掛け、結果を本書にして出版。「赤い・青い、というのに、緑いと言わないのは何故」「五・七・五はリズムがいいと誰が決めたのか」「弱肉強食は四字熟語なのに焼肉定食は四字熟語でないのは何故」など。日本語に課された意外な事実を解明する書。
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