大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
日本語の起源 |
戻る |
世界の諸言語は隣国同士では似通っていて当たり前、つまりは語族を形成します。そんな中でも日本語は特異な言語で≪孤立した言語≫と言われています。最終氷期を経て地球の海面が上昇、日本湖は日本海となり、日本は大陸と分断された島国になってしまい、古代日本人はアジア大陸から孤立してしまいました。然も弥生時代まで文字文化が無く、日本で最も古い文献が記紀歌謡辺り、然も漢字で強引に記載したもの、木簡等がありますが、古代日本語を即物的に具体的に実証する術が無いのです。これがまた逆に多くの国語学者、言語学者の功名心をくすぐり、古代日本語の様相について独自の世界観をお披露目するというパターン、百花繚乱の世界です。孤立した言語ながらも日本語は膠着語である事から有力なのが、アルタイ語族では、という説でしょう。それでも日本語の起源が実証的になるのは、漢字文化の輸入、大量の朝鮮半島からの移民・亡命辺りになるのですが、こうなると既に古代日本語とは言えません。 一つのヒントは現在の日本人の遺伝子解析、ミトコンドリア遺伝子、等々です。古代に人がどのように世界を移動したのかが丸わかりなのです。一部のホモサピエンスと一部のネアンデルタール人との間に恋が芽生えて、なんと子孫が誕生、現在の人類の遺伝子にその痕跡が刻まれている事までわかってしまっているご時世です。でも、ほのぼのとした、世の中を明るくする話題じゃないですか。このように今後の古代日本語論争は医学的観点が思わぬ突破口になるのでしょう。ミトコンドリア遺伝子解析からは、江戸時代まで飛騨地方の婚姻圏は飛騨の中だけという事が判明しています。つまりは飛騨地方の中学校・高校の同級生・先輩・後輩、皆様すべてが中世までさかのぼれば全員がなんと親戚です。・・・そして佐七の独り言、飛騨地方には数多くの縄文遺跡があるけれど、その人々、つまりは私の直接のご先祖様、の言葉・古代の飛騨方言ですって?そんな事、誰が知るものですか。 縄文語の発見、小泉保、青土社、1刷 日本語の起源を弥生時代とする従来の説を廃し、その濫觴(らんしょう)を縄文時代に求めた本書は、“日本語の誕生”のみならず、いわゆる上代特殊仮名遣い、連濁・四つ仮名現象、アクセントの発生、方言分布など、日本語学における難問をここに解き明かした記念碑的労作。 日本語「起源」論の歴史と展望、日本語の起源はどのように論じられてきたか、長田俊樹編、三省堂、1刷 編者が2016年に日本語のルーツを再考する目的で研究会を立ち上げられ、数回、開催されたようです。その内容を起こしたもの。アジア各国の諸言語と日本語の比較内容にて、さしずめ五目飯のような内容。結論ですが、誰が何年考えても日本語のルーツははっきりしません。嗚呼 日本語の起源・新版、大野晋、岩波新書、2005年18刷、弥生文化時代の日本語が南インド・タミル語がルーツであるとの新学説の紹介書です。 日本語の教室、大野晋、岩波新書、2002年1刷、南インド・タミル語日本語語言説の詳述、日本語と日本の文明、その過去と将来論 日本語の変遷、金田一京助、講談社学術文庫、2006年25刷、日本語の変遷、特に縄文語のウラルアルタイ語起源説の詳述、規範文法から歴史文法へ、新国語の生みの悩み、日本語の特質 日本語はどこから来たか、津田元一郎、人文書院 世界の言葉の音には、一定の意味の原則がある。そして日本語も万国共通の音韻法則に従っている。古代日本語の主要な語はオリエントの言葉であり、実は日本語は予想外に多元複合語なのである。言葉の具体的なレベルで音韻学的に分析・検証、従来の日本語起源論に根底から疑問を投げかける興味津々、意欲の研究書。 日本語の源流、岩淵匡、青春出版社 魏志倭人伝からわかる事、謎の三世紀以前、稲作、神話の手がかり、日本語とアルタイ語、日本語と同系言語を探す、邪馬台はヤマトかヤマドか、等々。 日本人の源流、小田静夫、青春出版社 具体的には第5章日本語はどこから来たか、の章に日本を取り囲む諸外国言語との近似点をまとめておられますが、秀逸なのが他の章、遺伝子解析、骨の話、文化の話、等々、文化人類学的立場から日本人の祖先について考えさせる入門書。 日本の古代語を探る、西郷信綱、集英社新書、2005年3刷 毛、旅、筑波山三題、キトラ、方位、芭蕉の一句、ヲコ・ヲカシ、禅知内具、作庭記、シコ、等々、内容てんこ盛りです。当サイト管理人が古代日本語に興味を持つきっかけを作ってくれた書です。著者は知る人ぞ知る古典学者で、著書多数。 日本語形成の謎に迫る、澤田洋太郎、新水社、1刷 博引旁証で地球レベルの日本語のルーツを探る。日本語の起源は、多くの研究者により魅力的な論説が提供されているが、学会はそのほとんどを無視。顧みられないすぐれた着想に注目して、縄文人の言語とアイヌ語を原日本語ととらえ、琉球語、南方語、朝鮮語などとの比較の中でその起源を照射した書。 |
ページ先頭に戻る |