大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 飛騨方言 You Tube Contents |
ロマンスの神様・飛騨方言バージョン |
戻る |
私:まずは曲をどうぞ。 。 君:懐かしい歌よね。90年代だったかしら。30年も前で、つまりは新婚当初だわ。 私:そう、君の新婚当初の曲。 。 君:なるほどね。スキーのアルペンのCMソング。テレビでよく流れていたのだわ。 私:このサイトの大事なテーマとしては、昔を懐かしむ・人生を振り返る、という事。今ネット検索したら伝説のCМにて93年だった。当時の私は不惑、開業2年目、仕事は順調、二児のパパ。舟山スキー場に行った思い出もあるが、父と子等でソリ遊び、それを眺める家内、ってなところだったかな。昨年はスキーの板を処分してしまった。結婚してからはほとんどゲレンデを訪れていない。 君:あら、どうして。 私:僕は人生を全て家内に捧げている。家内はね、本当にインドア派なんだよ。戯曲とか、落語とか、手紙を書いたりとか。テレビも大好きでね。専ら推理もの。 君:あなたはオートバイにはまっているのに。人生を無理していらっしゃるのかしら。 私:いや、オートバイなんかいつでも捨てられる。僕も本質はインドア。方言、文学、音楽、ギター。ギターは真夜中まで弾いている。 君:脱線しているから方言のお話にしましょう。 私:ほいきた。何と言っても・・ 2:07 早よサングラス取ってみせないよ♪・・これが説明すべき歌詞だね。 君:そうね。飛騨方言話者には説明不要だけど、これって「サングラス取って素顔をみせなさい」という命令形なのよね。 私:その通り。でも、なんちゃって命令形という事だよね。「みせないよ」は「みせなさいよ」の短呼化だ。「さ」の脱落。命令形ではなく、実は勧誘形。つまりは、なんと「みせてくださらないのよ、クスン」という否定文の意味ではない。 君:それにジェンダーね。 私:その通り。これは飛騨方言の典型的な女房詞。男性は決して使わない。男が言うなら「早よサングラス取ってみせんか!たあけ!!」になるね。 君:全国アホバカ分布考という本があったわね。飛騨地方って「たわけ」の地方かしら。 私:勿論。なんだ、君は(全国)罵詈雑言辞典なるものが出版されている事を知らなかったのか。 ![]() 君:また脱線して。たわけねぇ。飛騨方言の女房詞の命令形のお話だったでしょ。 私:うん。当サイトの鉄板ネタになっているが、実は飛騨方言に於いて男言葉には命令形が存在するし共通語と文法・語彙はほとんど同じだが、飛騨方言には女言葉に関しては命令形は存在しない。存在するのは勧誘形のみ。つまりは「みせないよ(みせなさいよ)」。 君:つまりは。 私:方言学というが、決して国語学の下位分類ではない。ましてや言語学の分野でもない。方言学は文化人類学なんだ。 君:つまりは。 私:飛騨の女性たちは世界で一番に優しい方々です。言葉に表れます。もうひとつ、鉄板ネタがあります。 君:おおよそ検討はつくわよ。 私:手短に。飛騨の女性は人称代名詞の主格に「おり(おれ俺)」を使う。 君:説明が必要ね。 私:「おれ(俺)」の語源は「おのれ己」。つまりは最大限の謙譲語。江戸時代までは男女が用いていた。飛騨の女性は今もかたくなに江戸時代の謙譲語を使う。 君:しかも命令形すら使わず。裏を返せば、・・如何に飛騨が男尊女卑の世界かという事なのよ。飛騨の女性たちよ、今こそ職業人となって立ち上がって男達をコテンパンに打ちのめしないよ。おりだけに押し付けずに、家事も育児も親の介護も男に半分はやらせないよ。ほほほ |
ページ先頭に戻る |