表題は秋田の郷土料理のようですが、片仮名で書くと外来語風ですね。さて昨日は娘二人とその孫達、夫婦で近くの料理屋へ行きました。聞いたことのない料理だからと子供が注文したのでした。輪切りチーズと一緒に出てきました。娘は、どこの国の料理ですか、と聞くと、秋田です、とのご返事。日本じゃなくて??キョトンとする娘。私は、おおこりゃうまいな、チーズとよく合う、と言いつつ、早速に方言談義です。
私は方言学者ではないので秋田方言の語彙はわかりません。ところが、飛騨方言でも秋田と同様に、香の物の事を、かっこ、というのです。つまりは秋田と飛騨の共通方言である事は瞬時に理解できました。となれば、いぶり、ですが、ラ行五段自動詞いぶる、の連用形、つまりはスモーキングで作られた香の物の意味は明らかです。娘達は生まれ育ちが名古屋なので、かっこ、という言葉にピンと来なかったようです。ほら京言葉では、おこうこ、と言うでしょ、の私の追加説明に皆が納得。ここまでが前置きです。
帰宅してさっそく調べました。大根の古語は何だろう、おほね、でした。これに大根の当て字がいつのまにか、だいこん、という言葉になり、おおね、は廃れてしまったようです。おこうこはいつごろからの言葉か気になり、日葡辞書を調べました。該当なしでした。代りにみつかったのが Conomono, Asazzuqe, Narazuqe の三文字でした。香の物、浅漬け、奈良漬という単語が安土桃山時代に畿内で話されていた事が判明しました、私の推察は、つまりはこの時代以後に京都で、こうこ(香々) 、が生まれ、やがて、おこうこ、となったという事なのでしょう。
香々はやがてじんわりど一年に時速一キロ、つまりは一世紀で百キロメートルのスピードで飛騨に伝搬するうちに、かっこ、になったという事なのでしょうね。秋田も、かっこ、ですから、越中に到達した時には既に、かっこ、に変化していて、飛騨に直ぐに伝わり、秋田へは遅く伝わったが、新潟県を通過する時に、かっこ、は更なる音韻変化を起こさなかったのでは。わずかの情報から大胆な予測をすると大外れの可能性もありましょうが、もしそうならごめんなさい。重要なのはまず情報発信してみる事ですかね。
先ほどは飛騨の或る漬物屋さんの新商品で、いぶしカッコ、なる名前すら発見しました。自動詞ではなく他動詞で攻めたわけですか。つまりは、いふりがっこ、は既に商標登録されていて使えない・ならば他動詞で、とお考えになったのでしょうね。平成、いや、令和の飛騨方言かも。こちらも若し違っていたらごめんなさい。
|