大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 心の旅路

高山市の二つの方言資料室

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このコーナーは佐七の旅日記でも書こうかと思って 最近始めたのですが、 今回はなんと故郷の飛騨高山への旅。 今、2007年の夏ですが実はお盆に帰省できず、すこし遅れて 帰省する事ができました。 ただし、飛騨方言の原稿も書きつくした佐七が それでも何かまた書き足りない事がないかと 飛騨方言の言葉を漁りに陣屋の威勢の良い朝市に、 故郷の訛りなつかし言葉を聞きに行く、というお話ではありません。 今回のお目当ては実は(1)岐阜県ミュージアムひだの 図書資料室と 高山市図書館 にあります近代文学館です。

両施設とも比較的新しく、 十年も二十年も故郷を離れて飛騨方言が懐かしい方のみに お役立ちの記事でしょうか。 ところが旧高山市街にお住まいの方にとっては、両施設はあまりにも短かな存在ですから、 どうして佐七がわざわざこのような記事を書いているのか、 飛騨方言の研究も結構だけれど、最近の佐七はなんだかおかしい、 ちょっと理解に苦しむ、という事でしょうね。

例えば、仮に高校の友人Nに語らせて見ましょう。
なんやって!!わりゃ何日も前から高山くること決めとって、 そのくせして、おりに何の連絡もせすと、ミュージアムひだと市の図書館 行って帰ってまったんやって!! そりゃちょっといくらなんでもよう、みずくさいってうか、 げばいたっていうか、 ちょっと人間としてまちがっとるんでないがよ。 やっぱ、わりとおりゃあ高校んどきからの友達やろ?

おりならなあ、なんじゃそしゃふたりでいかまいがよ、って いうに決まっとるろ。わりゃあそんなごとも わからんようになってまったんがよ。 ともだちなんてもなあ、そんなもんでゃねーろ?
ざっとこんな口ぶりでしょうね、N君。

今回は、言わば偵察(失礼!)、ほんのご挨拶のつもりで訪れたのです。 筆者は古書探し、つまりは絶版の飛騨方言資料探し、が日課になりつつありますが、 念願であった両資料室の訪問が出来ました。 ただしとても駆け足の訪問でした。帰りの時刻を気にしつつ、 半日ほど居る事が出来ましたが、 両建物の移動に車で三十分ほどかかりますので実際は各々二時間ほどの訪問だったでしょうか。

ひとつには蔵書の量を確かめたかったのです。 結論ですが、互角でした。 郷土史関係についても両者とも申し分なし。 それでも、例えば大野郡史という古書がありますが、実は方言資料ならず、 予想通りとは言え、方言研究アマチュアとしてはやや残念。 又一方、河合村誌という超一級の方言資料もあり、 本当に世の中はわからないものです。

さて旅の勧めですが、国語学・方言の興味も然る事ながら、 民俗学にもご興味ある方は迷わずミュージアムひだ を訪問してください。 例えば、飛騨にはネコダというリュックサックがあるそうですが、 とお聞きになれば直ぐに実物の展示に案内してもらえるでしょう。 AV展示他、豊富な展示がお楽しみいただけます。 学芸員の方にあれこれ質問できたのも大きな収穫でした。 この場を借りてお礼申し上げます。

また、文学にご興味のある方は迷わず近代文学館へ。 ただし名は体を現さず、市の図書館の二階にある一室の事でした。 展示、パネルも豊富で目を楽しませてくれます。 また図書室という性質上、AV展示はありません。 場所は市の真ん中、城山のふもとですから、 市内観光散策がてら、ぶらりと寄ってもいい場所なのですが、 私が入室した時は誰もおらず、静寂そのものでした。 ここでは関西大学が出版したガリ版印刷の飛騨方言資料には 流石に度肝を抜かれてしまいました。 うーむそういえば私も大学卒業の年(1978)まで鉄筆を 握っていたね。

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