大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 心の旅路

まっとろう

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町で偶然に聞いた言葉がなんだか心に残る事がありますが、 場所は美濃地方、 私の目の前の若い母親が自分の子供に、待っとろうね、と言ったのが 気になった今日でした。 待っていましょうね、の意味である事は書かずもがな、子供も 意味は理解しており、お行儀よく待っていたのでした。

共通語では、待っていようね・まってようね・まとうね、になりますし、 飛騨方言では、待っておらまいか・まっとらまいか・またまいか、になります。 飛騨方言話者にとっては、共通語と飛騨方言は聞き流してしまう 言葉ですが、聞きなれない方言の表現は、かえって耳に残るものなのでしょう。

さて、美濃方言では、待っておろうまいか、でしょう。 ですから、まっておろうまいかね、が詰まった言葉なのでしょう。 この母親はア行自動詞を五段活用しました。ですから、 炒ろうね・売ろうね・折ろうね、などと言うのでしょうね。 得る、の場合は、得ようね、ではなく、得ろうね、と言うのでしょうか。

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