飛騨方言のサイトで越後方言の話をしても
仕方が無いとは思うのですが、筆者の思い出話に
お一人でも何かを感じてくだざれば。
大学生の夏にトボトボと東北地方の自転車旅行を決行した事があるのです。
昭和48年の夏でした。出発は大西村です。富山経由で新潟に入りました。
そして新潟県に村上市があります。
目指す次の目的地は山形県鶴岡です。
新発田を過ぎてトボトボと村上市
まで来たのはいいものの、決断が迫られます。
内陸の国道七号線経由が良いのか、
あるいは海岸沿い笹川流れを選ぶか。
さて目的地に至るのに二つのルートがある場合、
筆者の経験を踏まえますと、
- 走行距離が違うならば短いほうを選ぶべきである。
- 走行距離が若し長くても途中に名所史跡があればそれもよし。
- 走行距離が若し長くても途中が風光明媚であればそれもよし。
- 道は舗装路でなければ絶対だめ。つまり片方が舗装路で、片方が非舗装路ならば必ず舗装路のルートを選ぶ事。
- だらだらと長い登り坂のルートは絶対だめ。最悪のルートであり、絶対に避けるべき。
- 理想の道とはどこまでも平坦な舗装路。
- 次に理想的なのが、短い距離つまりはせいぜい五キロが急な登りで、
後は数十キロ延々とだらだらと
ダウンスロープのルート。或いは考えようでは最高に良いルート。
新潟市を出発して、以上の点を考えながら
とうとう村上市に来てしまったのです。
迷う場合は土地の方にお聞きするに限る。
道路わきの農家に飛び込みました。
いかにも話し好きの感じのお爺さんが出てきました。
筆者が上記の問題点を述べ、国道七号か笹川流れか、
どちらを選んで山形県を目指したらよいのか大変に
迷っている事を伝えました。
お爺さんは私の言った事が良く理解できたらしく、
わーわーと、新潟方言というか村上方言というか、
なんとも形容しがたい言葉をまくしたてて講釈してくださるのですが、
私は終に一言も理解できなかったのです。
結局は時間が十分以上過ぎてしまいました。
私は意を決して、ありがとうございました・では笹川流れの
ルートを選びます、と言ってお別れをすると、お爺さんは
嬉しそうに見送ってくださったのです。
実は、一見短いように見える笹川流れはウネウネとした
海岸線で走行距離は返って長かったようでした。
風光明媚なのでしょうが走るのにヘトヘトで実はあまり景色の覚えがないのです。
道は未舗装でした。未舗装の道だけは絶対に走りたくないと思っていた佐七には
最悪の選択だったのです。
海岸沿いの道ゆえ起伏がなかった事だけが唯一の救いだったのでした。
夜のとばりが降りて、時間も超過、ヘトヘトの思いで
山形県の鼠ケ関にたどり着き、一泊したのです。
翌朝は前日の遅れを取り戻す為に早朝に宿を出発、鼠ケ関も見ず。
一体全体どんな所だったのやら。
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