大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 心の旅路

大阪 器械のゲイン

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セントラルドグマという言葉がありますが、方言の大家の先生があれこれご講演なさいます。それじゃ先生のお国言葉でもやってみて、というフロアーからのリクエストに、それだけは御免なさい、と言うのがせいぜいだったというお話です。学問やビジネスの世界では方言はご法度なのです。さて以下は佐七が例えば医者だったとしたらというお話、ある医科器械展での一こまです。
佐七:いやあ、キュートな製品ですね。
F社:有難うございます。新モデルでございます。
佐七:どれどれ、いやあ、このメニューいいね。
F社:有難うございます。苦心しました改良点を早速にお褒めくださいました。
佐七:ところで、このつまみだけどね。
F社:ゲイン○●●でございますか。
佐七:そうなんだよ、ゲイン▼○○なんだけどね。
F社:このゲイン○●●はかくかくしかじかでございます。
佐七:なるほどゲイン▼○○は、かくかくしかじか、か。
F社:そのようなゲイン○●●でございます。
佐七:・・・
F社:当社の設定はゲイン○●●は、かくかくしかじかでございますが・・・。何かご不明の点がございましたら・・・
佐七:質問なんてあるわけないだろ、君の言う事はよくわかる。実はゲイン▼○○なんだよ。僕の言いたいのは。君、ゲイン○●●って説明してくださるんだが、普通はゲイン▼○○てしょ。私は標準語のアクセントでモーションかけてるのに、あなたはあくまでも関西方言、ゲイン○●●は関西方言ちゃいまっか?
F社:失礼しました。ゲイン▼○○でございます。
佐七:いやあ、きにせんかてええがな。ゲイン▼○○でもゲイン○●●でも意味は同じやさかい。でもなあ、あんさん、ビジネス語やさかい東京語つかわんにゃアキマヘンガナ。
F社:失礼しました。当社のゲイン▼○○の設定はいかがでしょうか。
佐七:ははは、なかなかいいよ。新モデルはゲイン▼○○が最高だ。
F社:当社の自身作のゲイン▼○○でございます。
佐七:ははは、いいぞ、いいぞ。ゲイン▼○○だ。ところで君なあ、関西方言なんかで商売が成り立つとおもうなよ。ビジネスは関東弁だ、東京語だ。絶対に関西方言使っちゃいけないぞ。
F社:貴重なご助言を有難うございます。先生は東京のご出身でいらっしゃいますね。
佐七:ははは、出身は飛騨の大西村だ。中部のどこかだよ。ただしアクセントは関東圏、だからビジネスで君らの関西アクセントを聞かされると脳みそが拒否したくなるのさ。
F社:・・・中部のトヨタ社は関東系でしょうか。
佐七:ははは、当たり前。名古屋はバリバリの関東アクセントだ。ところで関西方言しか話せなきゃ関西でしか物は売れないよ。さて君の親にかわって、君は本気で仕事をしたいのなら関西方言のアクセントを捨てたまえ。
F社:・・・先生がそこまでおっしゃるのですから決意しましたが、関西方言は実はビジネス向きの言葉ではないと言う事ですね。関西の誰もが知らぬかも知れぬ事のようですから大変な勉強になりました。
佐七:ははは、君はみこみがある。すんなり引き下がる所は実は君が京都人じゃないからだ。
F社:・・・お見通しでございます。・・・遠縁が京都におりますが、なにか申し伝えたほうがよろしいのでしょうか。
佐七:ははは、京都はてごわいぞ。京都の人にアクセントを教育しょうと思ったら大変だぞ。
F社:・・・。
佐七:ははは、京都人はそもそも自分達の言葉を方言とは言わない。京都弁などというものも存在しない。京都にあるのは京言葉だ。京都方言ではない。京都のアクセントこそが日本のアクセントであり、それ以外のアクセントは辺境のアクセントだ。
F社:・・・。
佐七:ははは、大阪人も東京人も京言葉に逆らってはいけない。ビジネス以外では田舎物扱いされるぞ。
F社:・・・。

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