大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 心の旅路 |
沖縄 ちむどんどん |
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私:飛騨方言に拘って運営してきたが、僕の興味は今や全国の方言。今夜は表題について。サイトはここ。 君:要約お願いね。 私:うん。当サイトは今後、数十年続くだろうから。今は2022春、半年もののNHK朝の連ドラがスタート。場所は沖縄やんばる。「ちむどんどん」はそのタイトル、「胸がドキドキする」を意味する沖縄の方言。セリフでも度々登場する。語源はわかるよね。 君:わからない。 私:ヤマトグチ(本土方言)の「どきどき」がウチナーグチ(琉球方言、ユネスコ指定絶滅危惧言語)では「どんどん」、流石にこれは説明不要でしょ。 君:そうね。擬態語だわ。音韻対応があるのね。二拍を二回繰り返す事も。 私:おっ、いいぞ。では「ちむ」はヤマトグチでは何か、という問題に絞り込む事ができる。答えは「きも」だ。日琉祖語という概念がある。どういう事? 君:本土方言と琉球方言は共に古代の日本語が別れて成立した、という考えね。 私:そう。母音優位、語頭に濁音が立たないからアルタイ語族とも言われる。日本人が脳の存在を知ったのは杉田玄白の腑分け辺り、つまりは古代の日本人は人の心というものは胸辺り、あるいは胸腹部全体に宿るものと考えていて、これを「きも」と呼んでいた。つまりは古代からの言葉。和語だ。日本の方言を俯瞰すると大半の地域では「きも」。 君:ほほほ、方言量は1に近い、という訳ね。実際の値は? 私:3です。 君:という事は。 私:沖縄では「ちむ」。鹿児島県沖永良部では「きむ」。その他の地域は「きも」。これからわかる事がひとつある。 君:「ちむ」は別として、古代から全く音韻変化が無く現代に至るという事ね。 私:その通り。方言学はこのような場面において国語の理解に役立つ。「きも」は「やま」「かは」と同様に最重要和語。これが今夜の結論。 君:ついでだから沖縄やんばるについても教えてね。 私:「やんばる」は「やまはら」の連濁で決まりだろう。つまりは「やまばら山原」。 沖縄島(沖縄本島)北部地域一帯を指す俗称。 沖縄島の北部は森が広がっているため、やんばると呼ばれた。 君:飛騨方言の語源説きは簡単すぎて、今の貴方は沖縄方言くらいが丁度いいのね。 私:その通り。暇つぶし、ボケ防止に持ってこいの道楽だ。買い集めた資料、道楽の旅。それと古代日本語のロマン。 君:左七君は世間様に飛騨の山猿と言われて、やんばるぬ(*)ちむどんどん、という訳ね。ほほほ (*)琉球方言に於ける格助詞「の」 |
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