純文学

映画 青い山脈

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以下の通りですが、五回も映画化された小説でした。主人公は何と言っても島崎雪子先生でしょう。島崎雪子役/寺沢新子役の形で主演女優の名前を挙げてみました。原節子さん、司洋子さん、芦川いづみさん、なんとまあ豪華なキャスト、原作者の石坂洋次郎さんも大満足のご自身の小説でしたね。ここまでご自身の小説が成長してくれるとは想像しておられなかったでしょう。

確か島崎雪子先生は英語教師でしたっけ。戦後、平和な時代になり欧米に学べ、という事で戦前の敵性外国語の教師、日本がまだ敗戦まもなく大変に貧しかった時代背景を考えると、独身の高校英語教師というお立場がいかに燦然と輝く誰もの憧れの存在であったかというわけです。ただし寺沢新子役としては第三作の吉永小百合さんは大活躍でした。

現代においても独身女性の高校教員の方々が、ご専門が何であれ、男子生徒の憧れのマドンナ的存在であろう事は想像に難くありません。私の場合ですが、小中の恩師は全て既婚者でした。忘れもしません、高校二年生の新学期に某旧帝国大学文学部英文科をご卒業なさったばかりの愛くるしい新任の独身女性が母校・斐太高校に赴任なさり、しかも私の組の担任となられたのでした。ある文法の授業で私が、おやっ、と気づいた事があり、私なりに彼女に気を使って授業の後に職員室を訪れ質問してみたのです。素直に考え違いをお認めになる先生、他の生徒にはいたずらに混乱を与えないように授業内容はあのままにしておきましょう、との密約が彼女と私の間に出来てしまいました。青春真っ只中にこれほど甘美な思い出はありません。卒業式ではもう彼女に会えなくなると思うと、泣けてしかたなかった私。This novel reminds me of my sweetest memory, in my high school days, between a new English teacher who taught me and myself, concerning a tiny mistake that she had made while teaching. The issue was kept secret between us, and has remained strictly confidential up until now.

第一作 1949年版 原節子/杉葉子


第二作 1957年版 司洋子/雪村いづみ


第三作 1963年版 芦川いづみ/吉永小百合



第四作 19755年版 中野良子/片平なぎさ
19755年版 中野良子/片平なぎさ

第五作 1988年版 柏原芳恵/工藤夕貴
青い山脈’88 [VHS]

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