純文学

"1984", "Animal Farm" / George Orwell, an English novelist

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大学に進学し、前期の英語の講義も本格化するのですが、シェークスピアの戯曲・ジャンヌダルクを読まされたのでした。一言でいえば難解文章ですが、試験はなんとか優をいただきました。前期と言えば二か月近い長い夏休みが入るのですが、受験勉強からは解放されているし、なんともはや、バイトに明け暮れたとは言え、甘美な青春です。

前置きはさておき、夏休み前の講義に、夏休みにはまた別の英語の勉強をするがいい、とのたもうた鬼教官が黒板に、英英辞書 George Orwell (1984, Animal Farm)、とお書きになります。よしせっかくだから、と思い、名古屋という大都会に住むようになった私は町で唯一の英語書籍専門店・丸善へ行き、顔を赤らめて英英辞書を買い、ペーパーバックのコーナーへ行くと、おっ、ありました。

Animal Farm は本の表題である事は当然として、えっ 1984 も本の表題だったのか、と気づく私。それに結構、分厚いし。でも、こんな事で怖気づいていたのでは大学生の名が廃ります。値段も安かったので二冊とも買いました。

その日から英英辞書を頼りに二冊を順に読み始めたのですが、当初は読解に難渋したものの、すぐにスラスラと読めるようになり、二か月の夏休みでどっぷりと英語の世界につかる事が出来ました。

前置きが長くなりましたが、二つの小説は共に大戦後まもなく出版されたもので、根底はスターリン批判です。共産主義のどこがいけないの、と思われるかたもいらっしゃるでしょうが、2019年の現在の世界を眺めるに、テロ国家あり、武力でクリミアを併合する国あり、ウイグル・香港等、国内各地で弾圧を繰り返す国あり、Big Brother の世界です。また今、世界を支配するのは GAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon)、我々は彼らに big data を提供し続ける家畜なのです。やはりジョージオーウェルは偉大な予言者でした。

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