純文学 |
Key West Florida, Ernetst Hemingway's American Home |
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ヘミングウェイは米国を代表する作家ですが、彼の代表作とも言えるのが、老人と海、ですね。学生時代には新潮文庫だったと思いますが、邦訳の文庫本を読んだ覚えがあります。 さて、医学部六年間ですが、実は医学の勉強は四年間で、入学して二年間は教養部と言って、語学やら、自然科学一般、人文科学一般、を学ぶのです。医師に関係ない感じもするのですが、私の場合、源氏物語だったり、ドイツ語、ケインズ経済学、等々、面白そうな講義を手あたり次第に受講し、単位を稼ぐのです。暇な時間も多く、せっせとバイト、稼いだお金は全て本代に。新潮文庫ですが、最初は題名が有名だけど読んでいないものを買い、作者に興味をいだくと作品を全て買って読み、しまいには何でもかんでも買っては読み、四畳半は文庫本で埋め尽くされてしまいました。老人と海は有名だから真っ先に買って読んだ本であったことは書かずもがな 時は流れ1986−8に米国に留学する機会を得てニューヨークに住む私ですが、1987にはフロリダで学会が開催された関係でオーランドへ出張する機会がありました。私のボスは実に物分かりの良いお方で、私がおそるおそる一週間の出張にしていただけないでしょうか、とお尋ねすると、No problem. I would do so if I were you. Since you are a foreign visiter, you should see as many things as you want during your tenue. いいでしょう、留学の限られた時間に可能な限り見たいものを見てきなさい、とおっしゃり、あっさりオッケー。 オーランドでの学会を終え、レンタカーを借りて真っ先にマイアミに向かいました。そして、マイアミから150キロの海のドライブが始まるのです。ヘミングウェイが住んで執筆していたのはキーウエスト。キーウエストはマイアミの沖150キロにあるメキシコ湾の中の島なのです。マイアミからキーウエストまでは実は道路が走っているのです。海の中のハイウェー。勿論、黙々とあたり一面が海の中を桟橋のような長さ150キロの橋が一本かかっているわけではありません。ご興味ある方はグーグルマップをどうぞ。実はマイアミからキーウエストまでは無数といっていい小さな島が連なっていて、島通しを繋ぐ無数の橋が二つの町を結んでいる、というわけです。 それでも最大の橋がセブンマイルブリッジです。一マイルが1.6キロですから、十キロ近い橋です。こうなるとメキシコ湾を黙々と走る海の上のハイウェーです。米国の景色は何処も日本とはスケールが違います。 家族はこうやってマイアミ・キーウエスト間の往復ドライブを楽しむ事が出来ました。真っ先にヘミングウェイの家を訪問しました。キーウエストの一番の観光スポットです。彼の書斎がありました。タイプライターがありました。猫が沢山いました。彼はここで小説を書き、ノーベル賞作家となったのか、一生に一度の大切な思い出が出来ました。 ところでボスはハーバード医学部卒、30歳でミシガン大教授を皮切りに以後の人生は複数大学を渡り歩き、研究・留学・執筆・出張がお仕事、医者の中の医者、学問の神様のようなおかたでした。彼の直弟子として働けた事が私にとってかけがえのない財産。しかも物分かりの良い先生のおかげで私はへミングウェイの書斎を見て来られました。 |
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