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2020年、年明けて私が管理する飛騨方言のサイトに少し硬すぎる原稿を書きすぎたかな、と反省しています。同サイトは基本的にはエンタメ系です。学術要素を取り入れていますが、知識をひけらかす気持ちは毛頭、ありません。自分が面白いから自分の為に書いているだけです。それでも毎日ウエブカウンターが増え続けているのはありがたい限りです。どこのどなたかはわかる由もないのですが、この駄文をお読みくださる貴方は私と人生を共に歩んでくださっているような尊い存在です。私は飛騨方言については家族に完全に見捨てられています。なんの面白味もないそうです。わかりますけどね。 今日は少し柔らかいお話を。東京の築地にある料亭・新喜楽です。わかる人にはわかる、この料亭のひそひそ話で毎年の芥川賞と直木賞が相談、発表されるのです。賞の公式サイトはここです。本日のニュースで発表がありました。実は二日前の成人式の日に東京に遊びに行って新喜楽を見て参りました。見ただけ。一見さんお断りの料亭ゆえ、勿論、食事はできません。外からは高い塀があるだけで、玄関は裏木戸のような小さな戸で、ひっそりと、新喜楽、の表札がかかっているだけでした。 実は社会人になって、つまりは医師になってからというものの、開業するまで英語の医学学術誌以外は読んだ事がありませんでした。私が狂ったように純文学にのめり込んだのは教養部の二年間だけです。あからさまに不遜な発信はできませんが、最近は学術誌すら読むのに飽きてきています。人生も晩年になっているのだから、また学生時代を思い出して、心の豊かさを求めて文芸書をせっせと読もうかな、などと思いはじめた今日この頃です。つまりは私には自由な時間、というものが少し出来始めたのです。 大学病院時代は診療、研究、論文執筆、等々、起きている限りは働いていたのでした。二年間の留学が自分としては一番に恵まれた時代で、大した業績ではないのですが、二年間で五つの論文を書き、暇な時間は全て米国各地の旅行に費やしました。開業人生、特に家内が病気で倒れる三年前までが実は最もハードワークを強いられた時代で、深夜までの診療に続き医院の片付け仕事が夜明けまで続き、数時間の仮眠、また働く、の繰り返しでした。学術誌に十分に目を通す事すらままなりませんでした。 今は新患は原則お断りし、きままに診療しています。午後はほとんどを読書に費やしています。早起きして一時間ほど近所を散歩するのも日課になりました。また少なくとも一時間ほどは方言学の書籍を読んでいます。興味は尽きません。 取り留めのない話はこれくらいで、祝日には気軽に旅行に出かけられる身分になりました。写真ですが、新喜楽の前で、二日後に賞の発表があるはず、令和の賞は果たして誰に、と路上ではしゃぐ家内と私。旅行が共通の趣味の平和な夫婦。(2020/1/15) ![]() |
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